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アロサウルス!
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長時間の撮影がすべて終了し、帰りのロケバスの中。
車内はすっかり消灯され、スタッフや他のメンバーたちも一日の疲れから、静かに眠りについていた。
もちろん、杢代もその一人だ。
窓枠に頭を預け、心地よい微振動に揺られながら、完全に深い眠りに落ちている。
寝顔は普段のツンとした雰囲気とは違い、驚くほど無防備で幼い。
そんな杢代の隣の席に座っているのは、空人だ。
いつもなら真っ先に寝るはずの大型犬だが、今はやけに目が冴えていた。
隣でスースーと規則正しい寝息を立てている杢代をじっと見つめる。
(和人、めっちゃ爆睡してる……)
綺麗に整った横顔を見ていると、空人の頭の中に、よからぬイタズラ心がムクムクと湧き上がってきた。
いつもツンツン怒ってばかりの杢代が、寝起きにどんな反応をするのか、どうしても見たくなってしまったのだ。
空人はニヤニヤとした笑みを浮かべながら、長い指先をそっと伸ばした。
そして、杢代の肩を、人差し指でツン、ツン、と優しくつつく。
「……ん……っ」
杢代がわずかに眉をひそめ、身じろぎをした。
だが、まだ起きる気配はない。
味をしめた空人は、今度は杢代の白く整った顔の頬に触れてみる。
「……ゃ、やめ……」
無意識に手で顔を覆おうとする杢代。その嫌がるリアクションが面白くて、簡はついに、杢代の柔らかい頬っぺたを指でぐーっと引っ張った。
「う、…」
そして、脇腹を触る。
「あ”っ?!…ちょっ…」
ついに限界を迎えた杢代が、カッと目を見開いた。
寝起きで頭が回っていないのと、あまりの鬱陶しさに、車内の静けさを忘れて少し大きな声が出てしまう。
「しっーー!! 和人、声大きい…! みんな寝てるって!!」
「お前のせいだろバカ!!! 嫌がらせすんな!!」
杢代は慌てて口元を押さえたが、時すでに遅し。
前の座席から、すやすやと眠っていたはずの光咲が、気だるげにぬっと顔を覗かせた。
「……ちょっと、そこ……。ロケバスの中で、イチャイチャして大声出すのやめてもらっていい? こっちまだ寝てんだけど……」
「光咲…! 違う!、イチャイチャしてない! こいつが寝てるところを……っ」
「はいはい、空人が構ってほしくてちょっかい出したんでしょ。おやすみ」
光咲は完全にすべてを察した顔で、再び座席に沈んでいった。
「……っ、~~~!!」
杢代は顔を真っ赤に染めながら、隣で「へへ、ごめん」と全く反省していない顔で笑う空人をキッと睨みつけた。
「もう近づいて来んなっ…///」
精一杯の小さな声で、でも全力の怒りを込めて空人の胸板を小突く。
しかし空人は、その怒った顔すら愛おしそうに眺めながら、「和人の寝顔、可愛かったよ?」と言った。
「うるさいっ…もぉいいっ!!///」
「ごめんって…笑」
コメント
1件
え、もうこの2人、バスの中で何やってるんですか…🤭💕 杢代の寝顔が無防備すぎて、空人がちょっかい出したくなる気持ち、すごく分かります。光咲の「イチャイチャ」ツッコミが的確すぎて笑いました。最後の「寝顔、可愛かったよ」が甘くて、杢代が真っ赤になってるところまでちゃんと見えた気がします。この距離感の描き方、めちゃくちゃ好きです!