きおきおさん 視点 過去
「配信…してみようかな。」
チャンネル登録者数が千人ほどになって、調子に乗ってたとき。ノリで配信をしてみた。
「…誰も来ないじゃん、やめよ」
『Kさん、初配信ですか?』
コメント欄にやっとコメントが来た。めちゃくちゃ嬉しかった。
「…あ、えっと…いのさん、コメントありがとうございます!あ、そうです、初配信です!」
『告知とかしなかったんですか?』
「あ、えっと、ノリでやってみただけなんで…」
『Kさんめちゃくちゃ緊張してません?笑』
「こうやって喋るの初めてなんで…!多めに見て下さい…!」
『もちろんです、緊張してるKさん可愛いですね笑』
可愛い。赤ちゃんのときくらいしか言われたことない。
「かわ…俺が!?」
『そうです』
「え、そんなことないだろうけど…あ、せっかく来てくれたし、ゲーム配信でもする?何のゲームがいいと思う?」
『マイクラとかどうでしょうか?』
「んじゃ…マイクラしよっかな」
『Kさんってマイクラやったことあるんですか?』
「うん、グループのみんなと。すげぇ下手ってバカにされたけど。」
『おおはらさん辺りにですかね?頑張ってください、応援してます笑』
そこから時間は過ぎていき、俺の都合によって終わる時間が来た。
「んじゃ、ありがと。いのさん、また来てね」
『もちろんです、ずっと好きですよ』
…やばい、いのさんのこと好き。今までもずっとコメントしてくれて気になってはいたけど。実際配信して、来てくれると好きになる。ちょっと、配信しただけだったのに、いのさんがいないと生きていけないかも。年齢、性格、見た目、一切分からない相手を好きになるとかやばいな。
いのさんのアカウントを開いてIDを確認する。
「ふんふん…_____ねぇ…」
色んなSNSで_____を検索する。こういう人って大体ID同じだから、ネトストするのも簡単なんだよね。
あ、これリア垢だ、鍵かかってる。流石に知らんアカウントでフォローするのはまずいから、適当な垢作るか。名前は、Kにして。自己紹介は、東京都に住んでるKです、高校生やってます。よろしくお願いしま〜す。…こんな感じでいっか。
いのさんのアカウントに戻ってフォローをしてみる。…え、承認来たし、フォロバも来た。セキュリティ大丈夫そ?そんなことを思いながら、プロフィールを見る。推し活垢あるんだ。…俺じゃん、公式アカウントでフォローしといてあげよ。喜ぶかな。
投稿も見よーっと。あ、ここのカフェ見たことある。ふーん、行きつけのカフェねぇ。あ、自撮りもあるんだ…流石に顔出してないか。だけど、この制服は分かる。確か、__中学…だったはず。たいたいに知り合いがいたはずだけど…まぁ、カフェに行けば分かるか。
次の日の学校帰り、俺はカフェに行き、__中学の制服を着ている人を探してみることにした。数分経つと、店に数人が入ってきた。__中学の制服を着ている。
「いのさんってセンスいいよな〜」
お、ビンゴ〜。後ろを振り向くとそこには顔がずば抜けて整っている男がいた。その男は口を開き、
「ありがとうございます。」
と言う。…思ってた数倍美少年なんですけど。カバンには俺が所属している帰宅部のキーホルダーが付けてあった。しっかり推し活もしてるじゃん。
思考がただでさえ忙しかったのに、いのさんを含めた__中学の制服を着た人たちが俺の隣に座ってきた。しかもいのさんが横。
「お隣失礼します。」
え、声良。好き。すげぇ礼儀正しい。
「あ、大丈夫ですよ。」
笑いながら返したけど、結構緊張した。
「いのさん、なんでこのカフェが好きなの?」
「このカフェからの眺めが好きで。もちろん、全部が好きですが。」
このカフェ好きなんだな、いのさん。俺もちょっと通おうかな。
「ねぇ、前から気になってたんだけどそのキーホルダーって何のやつ?」
「内緒、です」
可愛いすぎる…。
「なんで?」
「私は、大好きなものは人に知られたくないので。」
…俺のこと好きってこと?相思相愛じゃん。
「では、私は帰りますね。」
「え、待って!」
「いのさーん!」
「…ますます、好きになったじゃん。いのさんの家も特定しちゃった。」
更新が毎回遅め。ごめんなさい。
二重の恋でのきおきおさん視点は多分初めて。なはず。
最後の「いのさんの家も特定しちゃった」に関してはマジで気に入ってます。
そろそろ作者的には結ばせたいけど!!!ちょっと我慢します()
それでは!
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