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初投稿
創作BL
生徒会長×問題児
生徒会長side
生徒指導室の前は、やけに静かだった廊下に並ぶ椅子の一つに、彼は座っていた。
背中は壁に預け、脚を投げ出し、腕を組んだまま。教師が行き交っても、視線一つくれない。まるで――ここに連れて来られたこと自体、どうでもいいみたいに。
「 …… 名前は ?? 」
俺が声をかけると、彼はゆっくりと顔を上げた。乱れた前髪の奥、睨むような目。
「 名乗る必要ある? 」
「 ある。君は今日から、生徒会の管理対象だ 」
一瞬、沈黙。
次の瞬間、彼は小さく笑った。
「 は。更生ってやつ? 」
「 そう思ってくれて構わない 」
立ち上がった彼は、俺より少し背が高い。近づいた瞬間、微かに血と雨の匂いがした。
「 で? 会長サマが、直々に俺を躾けるって? 」
「 言い方に気をつけろ 」
「 やだね 」
視線がぶつかる。
どちらも逸らさない。
「 君は今日から、放課後は生徒会室に来る 」
「 拒否権は? 」
「 ない 」
彼は舌打ちした。
「 檻じゃん、それ 」
「 違う。監視だ 」
「 同じだろ 」
そう言い捨てて、彼は再び椅子に座った。呼び止めなければ、ここで終わっていたかもしれない。
「 …… 来なければ、停学だ 」
その言葉に、彼の肩がわずかに揺れた。怒りでも反抗でもない。
諦めに近い反応。
「 …… はいはい。行きゃいいんだろ 」
✧︎
放課後 . 生徒会室
ドアを開けた彼は、部屋を見渡して鼻で笑った。
「 きれいすぎ。落ち着かねぇ 」
「 汚すなよ 」
「 努力するわ 」
机の向かいに座らせる。距離は机一枚分。それだけなのに、なぜか息が詰まる。
「 反省文を書け 」
「 何文字? 」
「 四百 」
「 多くね? 」
ペンを投げ渡すと、彼は乱暴に受け取った。
「 なぁ 」
「 今度は何だ 」
「 会長ってさ 」
彼はペンをくるくる回しながら言った。
「 楽しい? 」
一瞬、言葉に詰まった。
「 … 関係ない 」
「 そ 」
それ以上、踏み込んでこない。それが、逆に胸に刺さった。しばらく、ペンの走る音だけが部屋に響く。
「 …… 怪我 」
「 ん? 」
「 その手。どうした 」
彼は一瞬、黙ってから答えた。
「 別に。慣れてる 」
その言い方が、ひどく嫌だった。
「 慣れる必要はない 」
「 会長に決められる筋合いもない 」
ぴしゃりと返される。正しい。
それでも―― 。
「 …⋯ 今日はここまでだ 」
「 はや 」
「 明日も来い 」
立ち上がった彼は、ドアの前で一度だけ振り返った。
「 なぁ、生徒会長 」
「 何だ 」
「 俺のこと、ちゃんと見てる? 」
返事を待たずに、彼は出て行った。閉まったドアを見つめながら、俺は気づいてしまった。監視しているつもりで、
――縛られているのは、俺のほうだ。
受
名前 : 黒瀬 影 ( クロセ カゲ)
表:無気力・反抗的・サボり常習
↪︎ 運動神経は抜群。
実は素直、居場所を欲してる。
攻
名前 : 月城 静夜 ( ツキシロ シズヤ )
表:成績優秀・物腰柔らか・信頼厚い
↪︎ 生徒から人気を集めている。
裏:感情が欠落気味 / 執着強め
続き ···▸ ♡10
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