テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「 溺愛 」
もとぱ ( おにショタ
「 ん…んん…… 」
薄く開いた目の奥で天井がにじむ。
頭がぼうっとして、喉の奥がひりひり。咳が止まらない。
「 …おにぃ…ちゃん…… 」
その声もほとんど音にならなかった。
「 ───もとき! 」
玄関が乱暴に開いて、息を切らした足音が近づいてくる。
その足音を聞いただけで涙がこぼれた。
苦しくて、寂しくて、怖かった。
「 なんで!なんでまた一人で我慢してんだよ…… 」
滉斗がまだ制服のままの姿で、ぐしゃっとしゃがみ込む。
真っ赤に火照った頬に手を当てて、
「 熱っ… 」
と顔を顰めた。
「 だって…おにいちゃん、がっこう…… 」
「 そんなのどうでもいいっつーの
元貴が辛いなら何百回でもサボる 」
抱き上げられた体は火のように熱い。
けど、滉斗の胸元はひんやりしていて安心する匂いがした。
「 ほら、水…ゆっくり飲めよ 」
ペットボトルの水をストローで飲ませてもらいながら、
ちいさくちいさく体を擦り寄せる。
甘えるなんて普段は絶対にしない。でも、今日は――
「 ……おにいちゃん… 」
「 ん? 」
「 … ぎゅー、して…… 」
「 …………っ/// 」
ほんの一瞬、滉斗の動きが止まってそれから、
ぎゅっと優しくでも壊れないよう大切に抱きしめてくれた。
「 元貴……おまえ、かわいすぎ…反則 」
滉斗の頬が耳まで真っ赤で、それを見た元貴も少しだけ笑った。
病院なんかより、お兄ちゃんの方がずっと暖かい。
だから、まだ熱は高いけど───今日は、少しだけ幸せ。
#6.「 お兄ちゃんとねつのひ 」
おにショタ……、ホント栄養得られます。
コメント
3件
いやんほんとに嬉しいよぉ…泣 なづのお友達の中で1番褒めてくれる優しい子だよ。ほんとにいつもありがとう…///
ふわぁぁぁ最高過ぎる!! おにショタほんとやばい🫠🫠 もうね、昇天します😇 甘えてるもっくんも照れちゃうひろぱも可愛過ぎて尊タヒ_:(´ཀ`」 ∠): ほんと🌙ちゃん天才過ぎ‼︎