テラーノベル
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玲流side
今日は事務所のボイストレーナーさんにお世話になってます!
「じゃあまずデビュー曲、歌ってみて♪一人一人の特徴をある程度理解する必要があるからね。」
曲が流れ始める。
パート分けをミスることも、音程を外すこともなく上手くいった。
「おー!いいねぇ!」
パチパチと拍手をする先生が一人一人に目を向ける。
「じゃぁ…まず五月雨さん!もっと高音に自信持っていいよ!思いっきりね♪」
「、!はいっ!」
高音が好まれない状態で育ってきたから無意識に我慢していたのだろう。先生はそれを見抜いて的確に指導する
「あと、一星さん!一星さんは…さ、この曲を作ったんだよね?」
「え、あ、はい!」
「曲の音程とハモリが完璧だった。けど、君は歌が上手いだけ。もっと、自分自身の伝えたいことを思い浮かべてみて。」
歌が上手いだけ、?
その言葉にフリーズする。自分自身のつたえたいことと言ってもそれは全て歌詞に乗せてるし、歌がうまければ、歌唱力が高ければより伝わる…いや、れる自信も納得しとらん。こんな歌で思いが伝わるわけがない
その日はそれ以降話が入ってこなかった。
レッスンは終わり、一人残って練習する。
みんなはもう帰ったから静かな部屋にうち一人。
「 君を導…」
ずっと繰り返すサビの最初。
伝えたいことを込めてるつもりだけど、どうしても納得いかない
伝えたいことなんてもう分かってるし、それを伝えたいと思って歌ってる。なのになんで自分自身で納得できないのか。先生や第三者に言われるのならまだ分かる。けど、自分自身で伝えたいとこと伝えられてないと感じるのはなんなんやろ
どうすれば…
「れーるさん♪」
「おわっ⁈
…なんやこえか」
「なんやとはなんだ!!!」
赤髪ツインテールのうるせぇやつが入ってきた
「…で、どうしなん?」
「んー?一緒ご飯っ!行こっ♪」
・・・
「は??」
「んんぅ〜っ💞美味しい〜っ💞」
「…はあ」
と言って来たのはパスタ屋さん。個室に入れてもらってる。ちむはカルボナーラ、れるはボロネーゼを頼んだけど…
「なんなん?れる一応練習中だったんやけど」
頬をぱんぱんに膨らませてもぐもぐと美味しそうに食べるちむに聞く
「あっえにゃんかにゃやんねそう」
「飲み込んでから言え」
少ししょぼんとしてから無言でもぐもぐと噛み始める
「んぅ…んっ!!だってれるちなんか悩んでそうだったんだもん!」
「…は?それだけ?」
「うん」
「は?」
「え?」
悩んでそうだからとかいう曖昧な理由で練習中のメンバーをご飯に連れ出すとかなんなんこいつ
「悩みあるんでしょー?教えてよぉ」
「悩みなんてあらへんし!」
「嘘!絶対なんかある!」
「はぁ?」
「…れるさんどーせ歌が納得いかなくて残るなんて言ったんでしょ?」
図星を突かれる
なんでこいつれるのことそんなに分かっとるんよ…
「…ちむでいいなら、聞くから!リーダーを頼りなさい♪」
読んでいただきありがとうございます!
どもども星音です!
デビューライブまで残り一週間の様子をじっくり見ていきましょう👀
それでは!また次回!
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