2章:生と死。
9話:創造神ウカイハ
朝日秀蘭
→痛覚 創造を具現化する能力
導奇秋
→視覚 生死を導く能力
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「わぁ…!」
私たちはルードレン院で子供達と朝食を食べたあと、サキムラ寺院に来た。
「ほんと、寺院って感じの建物ね」
さほど大きなものではないのだが、丁寧に手入れされていて神秘的だった。それは思わず感嘆の声が漏れるほどに。
「ここに創造神ウカイハが…。」
そのときだった
「う”まぶしい⁉︎なに⁉︎」
突然、シュウの左手の甲と、私の右頬が光り出した。
「…!シュウ!感情の印!」
「え⁉︎」
シュウと私はそれぞれつけている手袋とテープを取った。すると寺院のある一点に光が集中し、中から女性が出て来た。
「う〜ん。はぁ。目覚めるのは実に二四〇〇年前か…はぁ〜あ…」
っとわけの分からないことを言ったかと思えばパチッと目が合う。
「其方たちか?我を目覚めさせた生け贄は」
目にプラスとマイナスの模様を宿し、胸元が大きく空いた派手な服を来ているその女性は、なんの疑いもなく聞いて来た。
「え?は?」
「えっと…貴方は…?」
そうすると彼女は笑いながら言う
「あーっはっは‼︎‼︎‼︎我は創造神ウカイハ。古代魔法を使う五神の一人であるぞ。」
え、神様なんで?
「どうして?」
「ん?我は感生の子が三人揃うと出てくるのじゃ。いつもは生け贄として我を目覚めさせるのだが、今回は自らか?」
「ちょ、ちょっと待って下さい!僕たちは確かに感生の子です!ですが二人しかいませんよ!」
ウカイハは黙る。
「…確かにー!!え?なんで我出てこれたの⁉︎ちょーウケる!www」
ぎゃ、ギャル⁉︎
「ふはっ!んっう”う”ん。すまぬ。確かにそうじゃな。まぁ、其方たちの近くにもう一人いるということじゃろ!」
「そ、そんな適当でいいんですか?」
「ま、まぁ神様だし。大丈夫だよ!」
「…それより、感生の子が揃うということは、其方たち、もしやファイルナを探しておるな?」
「え?なんで分かったんですか?」
ウカイハは物語を語るように話す。
「ファイルナ…。そう、我ら古代魔法を使う五神の中で、最も強いと呼ばれている神。五感を一人に集めた刻、その姿を表す。その五感とは五人の感生の子を意図する。感生の子が揃っている。すなわちファイルナ。それくらいは想像できるつわてわけじゃ」
すっご… 初めて聞いた情報もあれは、私たちの目的までずばり言い当てた。
「ウカイハ…様?はファイルナについて何か知らないのですか!俺、ずっと見てみたくて!少しでいい!だから!」
「落ち着け若いの。…ファイルナは我の弟子みたいなもんじゃ。じゃが、今はどこで何をしているのかは知らぬ。五六〇〇年前、人間に敗れかけたときから姿を現しておらん。…あ、でも奴らなら…」
「仁男様!また夏希が!!」
「なんだと…⁉︎夏希!なつき!」
なにやら孤児院の方が騒がしかった。
「秀蘭、行ってみよう!」
「うん。」
行きかけたとき、さっきとは真逆の威厳のあるウカイハに止められる。
「…。ファイルナのことならマーサル神社にいる双子神、シサイ・テサイを訪れるといい。我らの中で1番の秀才じゃ。なにか知っているかもしれぬ。カフリーア大陸のマーサル神社じゃぞ?分かったら行け。」
「…あ、ありがとうございます!また来ます絶対!」
「ありがとうございました。」
(…。面白い子供達じゃ…。にしてもあの少女。どこかファイルナにそっくりじゃった。
なぁファイルナよ。其方は今、どこで何を企んであるのじゃ…?)
優しく力強い瞳は秀蘭たちの背中を見つめていた。
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