天人五衰の事件は幕を閉じた。
怪我の重軽傷は絶えず居たそうだ。
事件の幕を閉じて一時間後
探偵社とポートマフィアは密会をしていた
其の出来事が起こる数時間前_
_ヘリの中
太宰「ねぇ中也」
中也「何だよ」
太宰「疲れたね~」
中也「お前に疲れたとかあるんだな」
太宰「私だって疲れるよ!?」
太宰「しかも今回は相手が相手だ」
太宰「フョードルを倒すのは決して簡単な事では無かった」
太宰「其れは君も分かるだろう?」
中也「そんぐらい分かるわッ」
中也「…なぁ太宰」
太宰「如何したんだい」
中也「今話す事じゃねぇかも知れねぇが..」
太宰「別に良いよ、話してご覧よ」
中也「俺達ポートマフィアが探偵社の救助に何故協力したか分かるか?」
太宰「…勿論」
太宰「ポートマフィアが探偵社に協力する程、救助の対価が良かったんだ」
中也「其の内容は知ってるか?」
太宰「…実は未だ内容は分かっていない」
中也「じゃあ今教えてやる」
中也「救助の対価は【社員一人のマフィアの移籍だ】」
太宰「!?」
太宰「何だとッ」
中也「…..」
太宰「其の対価は森さんと社長が話し合って決めたのかい?」
中也「あぁ」
太宰「ッ」
太宰「…移籍する人は決まっているの?」
中也「未だだ」
太宰「…そうか」
中也「多分だが首領が移籍を求めている人物は三人居る」
中也「一人目は女医だ」
太宰「与謝野さん…成程ね」
太宰「でも社長が死守すると思うよ」
太宰「与謝野さんだけは駄目だ」
中也「…..」
中也『矢張り圧があるな』
中也「二人目は異能で姿を消す奴だ」
太宰「…谷崎くんか」
中也「あの異能は探偵社にとってもポートマフィアにとっても便利な異能だ」
中也「最も其の異能は暗殺に向いてる、鏡花の夜叉白雪みたいにな」
中也「最後は手前だ」
中也「其れは分かってたと思うがな」
太宰「…..」
中也「一番は矢張り手前だよ」
中也「首領は手前を欲しがってる」
太宰「…だとすると戻る事になるかもね」
中也「如何言う事だ」
太宰「探偵社はポートマフィアに助けて貰ったんだ、対価を飲んでね」
太宰「すると対価の権限はポートマフィア側にある事になるのだよ」
太宰「対価の権限を持ってる森さんは探偵社の誰でも指名する事が出来る」
太宰「そして探偵社は其れに従わなければならない、拒否権すら無いのだよ」
中也「じゃあ女医も手に入るじゃねぇか」
太宰「先程言っただろう、死守すると」
中也「…..」
太宰「きっと森さんは社長が与謝野さんを絶対に渡さないと分かっていると思うよ」
太宰「森さんはそんなに馬鹿じゃあない」
太宰「中也の言葉が正しいのであれば狙われるのは私か谷崎くんだよ」
中也「もし首領が手前を指名したら手前は文句言わずに戻って来んのかよ」
太宰「社長がそう交渉したのであれば従わなければいけないからね」
中也「…そうか」
暫くヘリの中は沈黙に包まれた
操縦士「目的地に到着します」
中也「了解」
太宰「…..」
中也「…怖いか?」
太宰「真逆、笑」
太宰「怖い筈無いじゃないか」
太宰「君じゃないんだから笑」
中也「あ”ぁッ!?」
太宰「君本当に変わらないねぇ笑」
中也「ぶっ殺すぞッ!」
太宰「やってみなよおチビさん笑」
中也「決めたぶっ殺すッ」
太宰「ーー!」
中也「ー!?」
太宰「ーーー笑」
中也「ーーッ!」
操縦士「着きました」
中也「あんがとな」
太宰「ありがとうね」
ガチャンッ
太宰「やっと携帯も繋がった」
太宰「…中也」
中也「あ?」
太宰「ポートマフィアへ行くよ」
太宰「丁度みんながポートマフィアに向かっている頃だ」
中也「…おう」
僕の名前は中島敦
先程決戦が終わって探偵社総員でポートマフィアに向かっている途中だ
みんなの空気が重い
僕も其の原因は分かっている
だって今から数刻後には
探偵社の誰かが居なくなって仕舞うから
ポートマフィアに向かう迄、
誰一人として声を上げる事は無かった
ポートマフィアのビルに着くと
見張りをしている人が僕達を
ビルの中へと案内した。
其の間もみんなは静かだった。
等々、【執務室】と書かれた最上階の部屋の前へ案内された。
案内してくれて人がノックをすると
中から聞き慣れた声が聞こえた。
扉を開けると物凄く広い部屋の中にある椅子の上に森鴎外が座っていた。
森鴎外は満面の笑みを浮かべていた。
森「ようこそ、ポートマフィアへ」
福沢「….」
森「要件は分かっているでしょう?」
福沢「…あぁ」
森「惜しくも太宰くんが居ませんが…まぁしょうがないですね」
福沢「決める前に頼みたい事がある」
森「何でしょう?」
福沢「与謝野だけは選ばないでくれ」
与謝野「、!」
森「…分かっているとは思いますが権限は此方にある事をお忘れ無く」
福沢「借りにしても良い」
森「…..」
森鴎外は険しい表情を浮かべ乍ら暫くの間
言葉を発さなかった。
部屋には沈黙が流れた。
暫くすると軽く笑みを浮かべた。
森「…良いでしょう」
森「与謝野くんは貰いません」
森「然し条件は、ポートマフィアへの借りですよ?笑」
福沢「それで良い」
与謝野「…..」
与謝野さんの顔を見ると先程迄青白かった顔の血色が赤くなっていた。
森「では、誰を選びましょうかね」
空気が硬直した。
みんなが息を呑んだ。
森鴎外の圧は凄まじかった。
其の逼迫した状況を断ち切ったのは
意外な事に扉の音だった。
コンコン
◯◯「失礼します」
私は先程中也に怖いかと聞かれ、其の返答を否と答えた。
しかし、本音は少しばかり怖い。
だってポートマフィアに行けば
選ばれるのは確実に私だ。
選ばれたら織田作との約束を破る事になる
最期迄私を導こうとしてくれた
友人の言葉を疎かにしてしまう事になる。
実際、私は人を殺したくない。
人を殺した処でポートマフィアに居た処で
生きる意味は見つからなかった。
だから私は友人の言葉を信じ、
自ら探偵社へ加入した。
其処は私の知らない世界で
とてもキラキラ輝いていて
こんな私でも少しばかり織田作の言う様な
良い人間になれているような気がした。
然し選ばれればそんな日常も
二度と戻っては来ない。
勿論戻らないと言う選択肢もある。
私の頭脳に掛かれば
そんなの簡単な事である。
然し其れではみんなが傷付く。
私一人の所為で。
そんなのは絶対に嫌だ。
だって探偵社は私に光を与えてくれた、
私を泥沼から救ってくれた
唯一の場所なのだから。
恩は仇で返さない。
ギィッと扉が軋む音が聞こえると
何時もの様子では無い二人が立っていた。
みんな驚きの目を向けている。
森「…もう此処に着いたのかい?【太宰くん】【中也くん】」
中也「予定より少し早めに着きまして」
敦「だ、太宰さん!?」
与謝野「太宰お前捕まったって、」
太宰「簡単に言えば脱獄して来ました」
一同驚きが隠せない中、森鴎外だけは分かっていた様な笑みを浮かべていた。
森「もう少し遅いかと思ったよ」
森「二人ともお疲れ様」
森「如何だった?」
中也「太宰の救出は無事成功しフョードルも倒す事が出来ました、フョードルの死亡確認もしてあります」
森「本当に優秀だねぇ」
森「此処まで来ると私でも二人に頭が上がらないよ」
太宰「冗談はよしてください」
太宰「それよりあの事について話していたのでしょう?」
太宰「本題に入った方が良いのでは?」
太宰さんの其の一言で空気が凍りつく。
森「そうだね」
森「…太宰くん、戻って来なさい」
みんなの視線が太宰さんに集まる。
太宰さんは納得した様な顔をしていた。
太宰「…予想はついていました」
太宰「貴方は誰よりも合理性を求める、そして私が移籍した方が合理的だ」
森「其の通りだよ太宰くん、私は誰よりも合理性を求める」
森「そして君が戻って来れば此方も組織の利益に繋がる」
森「さて、戻って来てくれるかね?」
沈黙が続いた…と思ったら直ぐに太宰さんは口を開けた。
太宰「移籍が救助の対価なのでしょう?」
太宰「なら私が行きます」
森「…珍しいね、真逆そんなに君が素直だとは思わなかったよ」
太宰「私が文句を垂れたってしょうがないでしょう?」
福沢「太宰、」
太宰「社長、お世話になりました」
太宰「身寄りの無い私を探偵社へ入れてくれた事、今でも感謝しています」
太宰「罪悪感は感じなくて大丈夫です、結局誰かしらは移籍するのですから」
太宰「其れが私なだけです」
福沢「…我々と共に此の街を守ってくれた事、感謝している」
敦「太宰さん、ボソッ」
太宰「みんなもありがとうね」
太宰「もう此の先君達と会える時は無いと思うけど元気にやってね」
森「最後の言葉は済んだかな?」
太宰「あぁ、もう十分だよ」
森「では福沢殿、此の契約書にサインをお願いします」
其れは探偵社が一つポートマフィアに借りを作った事と太宰さんがポートマフィアへ移籍するという契約書だった。
森「此れで以上になります」
部下「此方へ」
僕達は扉の外へと案内された。
最後に見た太宰さんの顔は
少し微笑んでいて
でも少し虚しそうな
哀しそうな顔をしていた。
どうでしたか?
久々に書いたから下手すぎるッ!
雑談をする前に謝罪を申し上げます。
本当に投稿が遅なってすみませんでした💦
実はこの話も最初の1000文字くらいは数ヶ月前に書いてあったものです
(合計で約4500文字)
久しぶりなのにも関わらず4000文字という短い文章で本当に申し訳ないです💦
やっと投稿を再開したと思えばもうすぐ春休みで今年は受験年なので勉強をしなくてはいけなくてまた投稿が途切れます💦
本当にごめんなさい💦
絶対いつかは投稿します!
今回みたいに数ヶ月後かもしれないし数日後、数週間後、下手したら一年後かもしれません…。(一年後は無い)
文ストのストーリーは出せなくても度々出ている雑談の様な場所では投稿したいと思います。
楽しみにしてくださっている方々には頭があがりません…
こんな間が開いたのにも関わらず見て下さりありがとうございました!
次回は❤️1000で投稿します!
では、またね!
コメント
24件
うわぁ、....…言葉が出ないです。 凄い…続き見てきます。 あ、初コメ失礼します。
もうほんとに天才ですか!?!?!?まじで好きです今回も最高すぎました!!!!!!推しが苦しんでるのってほんと最高ですよね!!!!!!!!!
ウワァァァァァァァァァァァァ!!!!⤴︎︎(?