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教室の空気と化していた自分に

しつこく構ってくる娘が居た。

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だけど今は

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求めている自分がいる。

おはよ!って笑顔で話しかけてくれる

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たった1人のあの娘を。

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第13話 ほぐれるくらいに

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それから日々は刻一刻と過ぎていき

放課後は毎日一緒に帰るようになった

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キーンコーンカーンコーン

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大嫌いだったチャイムの音。

今ではそんなチャイムも今か今かと待ち続ける自分がいる。

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全てはあの娘のおかげ。

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花音「アオイ」

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葵「ああ、花音」

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花音「今日お金ないって言ったジャーン?でもパパがpaypay送ってくれたからタピオカ飲んで帰らん?^_^」

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葵「お、やるねぇ~行こうか」

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花音「わぁい!!さっ行こ行こ」

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スっと手を握り前をリードする彼女。

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やっぱりまだ周りからの目は気になる。

チラチラと目線を感じる。

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気にしないようにはしてきたつもりだったけど、やっぱりなんで自分がこの娘と居るのか不思議に思ってしまう時がある。

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花音「ねえ、どしたの?」

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葵「いや、大丈夫。行こ。」

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花音「アオイはもう胸張っていいんだよ。恥ずかしいことなんてないんだから。女らしく胸張りな!!そのために胸はついてんのよ!!」

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廊下に響くくらいのでかい声で彼女は言った。

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葵「ね、分かったから声でかいぃぃぃ!」

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彼女の耳元で囁く。

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顔がクシャクシャになるくらい笑顔で微笑み返してくれた。

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もう怖くない。

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彼女が居れば、居場所はあるんだって。

安心させてくれたのは彼女だった。

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花音「毎回ごめん、wwwww

オンボロチャリンコだけど、タクシー代は浮くでしょ?w」

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葵「ねぇ、花音後ろ乗ってよ」

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花音「え?私?重いよ…」

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葵「いいから、ほらほら」

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彼女は、思ったより軽かった。

そりゃ女の子だもんね。

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花音「あんた、思ったより重いって思ったでしょ!」

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葵「ぇぇ?!思ってないよ笑

凄い漕ぎやすい。ほら、もっとちゃんと掴んでて、」

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そう言うと彼女は照れたように顔を隠した。

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花音「?!… じ、じゃあ、苦しくなるくらい掴むからっ。」

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そう言ってお腹が潰れるくらいに後ろから抱きついてきた。

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_なにそれ。今までそんな仕草見せてきたことないくせに。_

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か弱なを見せてきた彼女を乗せ、 一気に加速させて校舎を後にした。

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