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「教育実習生」
教育実習生:❤️
生徒:🩷(🩵・💚・💛)
担任:💜
🩷視点
学校に着いてから早20分。
いつもと違って机の上に勉強道具をのせていることに困惑しているのか、朝は誰とも話さなかった。
今日はそういう気分なのだ。
…と言いたい所だが今日は教育実習生が来る。
それでただただテンションが上がっているだけだ。
朝のチャイムと共に扉が開きいつも気だるげな先生が今日は少し元気に挨拶する。
きっと先生も教育実習生が来ることに緊張を抱いているのだろう。
先生の長い連絡事項は聞かずに教育実習生を思い浮かべていたが、連絡事項が少なかったようですぐに教育実習生の話へと移った。
💜 : …そして、お前らも知っている通り、教育実習生が来ている。入れ、
入ってきた人はガラガラと小さい音をたてて扉を開け、扉の前で軽く礼をしてから黒板前へと歩いた。
いつもはそんなんじゃないのにな、
❤️ : 皆さん初めまして、暇と申します。現在、国語科の先生になることを目指しています。
💜 : はい、お前らは暇先生と呼べよ~、
🩵 : ぇ~、暇くんとかだめ~、?
💜 : ダメに決まってんだろ、
いつも通り先生と生徒同士でふざけた話をしている。
その話に教育実習生も笑えているようだった。
この人はこの学級に馴染めそうだな。
💜 : じゃあお前ら、暇先生に質問あるか、?
もぶ : ぇ、質問していんすか、?
💜 : あぁ、“なんでも”答えてくれるらしいぞ、笑
❤️ : ぇ、ちょっ、
先生は悪い笑みを浮かべながら焦っている教育実習生の方を見る。
…ほぼ煽ってるだろこれ
💛 : えぇ、質問かぁ、…
💚 : 改めて言われると難しいよね~、…
💜 : んじゃ、学級委員の🩷。
🩷 : ぇ、
💜 : 質問してくれ、
流石に無茶ぶりにも程がある。
今すぐ教卓に乗り込んで顔面キックをかましてやりたいとこだが自分にそんな勇気と根性は持ち合わせていない。
ちらっと教育実習生の方をみると俺の質問を緊張しながらも待っているようだ。
周辺からこれ言え、あれ言えという声が聞こえる。
いやもうお前らが言えよ。
仕方なく右から左に通しても頭に残ってしまった質問を口に発する。
🩷 : …暇せんせ~は彼女いるんですか、?
❤️ : 、!? //
発した瞬間わかりやすく教育実習生は焦り、周辺の猿は騒ぎ立てている。
❤️ : …います、/
まぁだろうね。
またまた周りの猿が騒ぎ立てた。特に女子。
💜 : へ~、因みに男、女どっち、?
多様性の時代だから、と言ってまた先生は悪い笑みを浮かべた。
❤️ : 男ですかね、…彼氏がいます、/
以前より周りの猿の声がでかくなった。
耳割れそう。
まぁだろうね。
だって俺だもん。彼氏。
この学校は案外多様性を受け入れているのか、彼氏がいる教育実習生にも磁石の力があるのかと疑うくらいに生徒は吸い込まれていっている。
普段先生とじゃれ合う陽キャも、付き合ってんじゃないかって噂されるほど仲のいい男子2人も、言ってしまえば俺以外全員がだった。
流石の俺も嫉妬しない訳では無い。
多分今の俺はじっと教育実習生を見てしまっている。
また1段あそこの周りが賑やかになった所でいつもと違って机で勉強する俺に先生がやってきた。
先生 : おぉ、桃乃さん今回は珍しく勉強してるんですね、
“珍しく”は余計だっつうの、という余計な一言を抑えてなるべく先生の方を見ながら話す。
🩷 : あぁ、はい。流石に今回勉強しないとなと思って…
先生 : いつもそうすればいいのに~、w
先生 : あと次は英語じゃなくて国語ですよ、?笑
この学校には頭おかしい先生しかいないのか?
こいつの腹にも1発入れたくなってきた。
いや今回は感謝が先か。
🩷 : ぁ、ほんとだ、…
🩷 : 教えて下さりありがとうございます。
すぐさま席を離れロッカーへ戻る。
国語を取って自分の席の方向を向くと位置も向きも変わっていない先生が立っていた。
ぼーっとしているのかなと目線の先を辿ると教育実習生だった。
こいつもなのか?
まぁ絶対渡さないけど。
先生の声を右から左へ受け流しながらスクリーンに映される字をノートに無心で書いていく。
スクリーンのすぐ横に教育実習生がいるから目の保養になる。
とても助かる。
先生 : 次の問題は入試問題でしたが…
先生 : では、桃乃さん問5の答え分かりますか?
教育実習生の目線が自分に来た。
ここはかっこよく決めなければ
🩷 : アです。
いつもより少しイケボめに答えてやった。
もう二度とないからな。
猿達はしっかり今の声を頭に叩き込め。
よし、決まった。と思い心の中でガッツポーズして教育実習生の方を見るが笑いを堪えている様子だった。
恐る恐る先生の回答を待っていると答えは案の定「コ」だったらしい。
いや普通に恥ずいんだけど。
軽く俯きながら授業を受けた。
先生 : この問いはペアで行っていただきます。
先生 : 現在の隣の席同士でなくて良いので友達同士で組んでください。
💚 : みこちゃん一緒にやろ~、
💛 : ぅあ、でもこさめちゃんが…
🩵 : せんせ~、3人組あり~、?
先生 : …しょうがないですね、3人組で行ってください。
🩵 : やった~、!!!
え、いやいや俺余るんですけど。
ちゃんと周りみてくれません??
先生 : ぁ、あ~、…
俺にペアが居ないことに気付いたのか面倒くさそうに教室中を見渡す。
先生 : ぁ、じゃあ暇先生、桃乃さんのところお願いできますか、?
❤️ : はい、もちろんです。
やっばい神演出
ありがとう神様先生様。初めて感謝したよ先生。
自分が1番後ろの席だからか階段をだるそうに登りながらこちらへ来る。
もう周りの声なんて聞こえずひたすら感謝ばかりしていたが、きっと周りは羨んで俺のことを見ていただろう。
先生 : では問6についてペアで話し合い、1つの正解を発表してください。
🩷 : …ん~、…
❤️ : …ね、らんさっき盛大に間違えてたね、w
🩷 : …うっさいなぁ、…
❤️ : それにちょいカッコつけたっしょ、?w
🩷 : んで分かんだよ、…
❤️ : そりゃ3年前から付き合ってるしわかるわ、w
❤️ : その後照れ隠しで俯いてたのもおもろかったわ~、w
こいつほんといつまで煽ってくんだよ、
俺が彼氏だってこと再認識させないと。
隣で座る愛らしい人の腰を大胆に掴んで自分の方に寄せる。
そこからYシャツの隙間から見える少し赤い首筋に音を立てず唇をあてる。
❤️ : …っ、!!ばか、ここ学校だっつうの、/
🩷 : ぇ~、誰にもみられないからい~じゃん、
❤️ : そういう問題じゃねぇの、! /
❤️ : …どけ、/
🩷 : …は~い、
決して自分から離れることがない彼女にまた好きという感情が生まれる。
流石にそろそろ課題をしなくちゃいけないと再びペンを持つ。
先程急にあんなことをしたのに優しく教えてくれる彼女がとても愛おしい。
案外課題はすぐに終わったと思ったが自分らが1番最後っぽかった。
好きな人といる時は時間が短く感じるって本当だったんだな。
🩷 : ぁ、そだ、
授業終わり、先生に呼び出される前に恋人の袖を掴んだ。
首をこてっと傾げる姿がとても愛おしくて今すぐ家に持ち帰りたい気分だった。
🩷 : 放課後教室、いい、?
❤️ : ぁ~、おけ、
❤️ : でも一緒には帰れんかも、
🩷 : ぇ~、…まぁわかった、
朝一発目の授業から感情の起伏が激しかった。が、運を全て使い切ってしまったかのようにそれ以降は何も無かった。
午後のHRも終わり放課後。
外から部活の掛け声などが聞こえる。
恋人は最小限のタスクを終わらせなければいけないらしく、職員室で作業中だった。
たくさん待つことになると思い勉強道具を広げていた。
まぁ勉強をする気になれず外を眺めていたが、その必要はなかった。
❤️ : っごめ、
息切れした様子で来た彼女はきっと廊下を全速力で走ってきてくれたのだろう。
運動苦手なんだからわざわざ走んなくてもいいのに…
🩷 : 息切れしてんじゃん、w
🩷 : ちょっと呼吸整えたら、?
🩷 : これ水筒、
❤️ : ん、ありがとっ、…
少し日に当たる位置にいる恋人が自分の水筒を美味しそうに飲んでいる。
それだけでも嬉しいのに口から溢れ出る水が首筋に垂れて夏っぽいと感じると共にどうも理性を失いそうだった。
❤️ : …ぁ、そだ
❤️ : 俺教員諦めるわ、
🩷 : ぇ、なんで!?
❤️ : いやまぁ俺に合わんかな~って思ったし、
❤️ : …あとらん以外の同い年と話すの気が引けるし、? ( 横向く
🩷 : なっちゃん、…!✨️ ( ギュッ、
❤️ : …で、どした、?
🩷 : …その首筋のキスマ、消えかかってる、
❤️ : …あぁ、お前が昨日他の人と近くなるの嫌だからって暴走されて襲われた時の、
🩷 : …俺普通に嫉妬したんだけど、
❤️ : …だと思ったから教員目指すの辞めたまであるんだけど。
🩷 : …ぇ、??
❤️ : 地理の先生に聞いたらさ、桃乃さんがあんなに友達と話さないのはほんと珍しいですよって
❤️ : いつもなら雨乃さんとかと喋ってますって、
そういえば昨日なっちゃんと話したいからって無理を頼んで明日だけは話しかけてこないでって言ったな…
なんでかすちとみことにも焼肉奢りになったけど。
🩷 : じゃあこれからも俺といてくれるってこと、?
❤️ : …ま~、そうなんじゃね、? ( 横向く
🩷 : っ~、!!!♡
近くにあった手を引っ張り自分に寄せ、数え切れないほどしてきた口付けを交わす。
目を開けば顔が淡い赤に染めながら小さく声を出す彼女が見えて何度もしてしまう。
胸板を叩かれた所で唇を離し、ドアの方向を見ると悪い笑みも浮かべられないほど困惑した担任が立っていた。
見せつけるようにしてまた彼女と唇を合わし、離すと担任は勢いよくドアを開け頬を染めながら彼女と俺を離した。