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「それじゃあ、鈴ちゃまの着付けは私がいたしますから」


「うん、お願いするよ。私は自分の部屋で着替えてくるから。君の着物姿、とても楽しみだ」


彼が笑顔を向けて、私の頭を温かな手の平でぽんと軽く叩いた。


食後の片付けを終えると、華さんに「こちらへいらしてください」と、手が引かれ、着物がしまわれている和ダンスのある部屋へ通された。


「さて、どちらになさいますか?」


タンスから出された、たとう紙に包まれた着物が広げられると、どれもあでやかで目移りをしてしまう程だった。


水色や薄緑色の鮮やかな地に、牡丹や芍薬などの大輪の花が散りばめられた、色とりどりで煌びやかな着物の数々を、絵画でも見るような気分で眺めた。


「……なんて綺麗」


どれもが思わずため息が漏れる程の華やかさで、私にはとてもじゃないけど選べない気がした。


「……あの、華さんはどの着物がいいと思いますか?」


一つ一つを見比べてさんざ思い悩んだけれど、結局、自分一人では決めかねて、やっぱりその道のスペシャリストでもある華さんに頼ることにした。


「そうですね、これなどはどうでしょう?」


言いながら華さんが私の身体にあててみてくれたのは、


深いえんじをした色のに白い梅の花が点々と咲いた細身の枝が、裾から腰回りへ立ち上がるようにも描かれた、艷やかで美しい色合いの着物だった。


「わぁ、とっても素敵ですねぇー」


「えんじの濃い紅色に白い梅の花が映えて、良い柄でしょう? 梅はお正月の時期にもちょうど合いますし、よかったらこちらになさいませんか?」


「はい、このお着物にします!」


ふたつ返事で頷くと、華さんがいそいそと着物をハンガーに掛けて、「帯は、どうなさいますか?」と、訊いてきた。


「お任せします。私はあまり合わせ方とかはわからないので」


正直な気持ちを話して伝えると、


「それでしたら……、」と、華さんがじっくりと吟味をして、中からぴったりな帯の一本を選んでくれた。


「こちらの、白地にうぐいすが刺繍された帯なら、お着物の柄にもよくお似合いになると思いますよ」


「可愛らしいですね」小枝の先に薄い黄緑色をしたうぐいすがちょこんととまっている絵柄の帯は、上品な中にも愛らしさが感じられるものだった。

ダンディー・ダーリン「年上の彼と、甘い恋を夢見て」

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