『可愛い意地悪』
秋晴れ。干していたシーツを取り込み、ベッドを整える。一番乗りとばかりにダイブする「ふかふかぁ」心地よい温かさにウトウトし始める(ちょっとお昼寝)
どのくらい経っただろうかギシッという音に薄目を開けると、愛夢さんの唇が触れ合う寸前自分の口を両手で押さえる「何してるんですか!」くぐもった声で怒ると、愛夢さんがすんなり退く(ここで気を抜いちゃダメだ)必死に唇をガードしていると、クスッと笑う声が聞こえる(な、何?)そう思っていると、愛夢さんの両手がカットソーの裾から侵入してくる「どこ触って…んぅ」思わず唇から手を離した隙に口づけられる。目を見開いてびっくりしていると、唇を離した愛夢さんがニヤリと笑っている「優君、ガード甘過ぎ」一瞬、体が浮いたと思ったら反転愛夢さんが見上げてくる「形成逆転だよ、優君。どうする?」そうとは見えない余裕の愛夢さん勝てるはずがない「…どうもしません」愛夢さんの上から降りる枕元のクマのぬいぐるみを抱きしめ背中を向けて横向きになるすると重なるように後ろから愛夢さんが抱きしめてくる「油断させる作戦?」肩越しでそう囁き余裕を崩さない愛夢さんの方を向く。唇に近づくフリをして、ぬいぐるみに向き直り、愛夢さんに見せつけるかのように何度も口づける「作戦?違います…クマさんとキスしてるだけですよ」
優君がぬいぐるみへ口づける様子に唇に釘付けになるそっと食んでは唇を離し、聞こえるか聞こえないかの音を立ててキスを繰り返している(オレからすることはあるけれど)挑発なのか優君はちょっとしたイタズラ気分なのかもしれないけれど無意味に煽ってくるキスが止まるぬいぐるみを抱きしめ直し、優君が目を閉じようとしている「優君、飽きちゃった?なら、今度はオレとどう?」選手交代とばかりに髪に口づける返事はない「オレにはそんな熱烈なのしてくれないんだね」黙る姿に駆け引きを忘れて本音が漏れる「他の人としちゃおうかな」思いがけないくらい寂しい声と共に意地悪を言ってしまう優君の体が大きく跳ねる腕の中でもがきながら反転してこちらを向いたと思ったら、ぬいぐるみを唇に押しつけられる強い力に優君の怒りを感じる(マズい)やり過ぎた事に反省の意を込めて、降参のポーズを取る優君の瞳が揺れているぎゅっともう一度強く押しつけられたかと思うと、優君が顔を近づけてくるけれど、先程まで目の前で見ていた口づけは降ってこない「優君?」
(他の人としちゃおうかな)愛夢さんの声に目を見開く嘘でも心が痛い振り向いて対峙してぬいぐるみを押しつける手に力が入る何度もしているけれど、キスはそんなに簡単なものじゃない愛夢さんの求めているものなのかも分からないだから、自分からは不意に軽く触れる程度に留めてたけれど…(他の人にするのもされるのも嫌だ)ぬいぐるみを横に置く近づけた顔はそのまま愛夢さんの頬に指を滑らせるそして、余裕のあるフリをして悪戯めいて鼻をつまむ「えっ」驚きの表情になる愛夢さん数秒もしないうちに、口呼吸になる目を閉じて愛夢さんの開いた唇を何度も食むつまんでいた指を離す閉じていく唇を追うように深く口づける決してスムーズじゃないたどたどしさばかり最後に小さな音を立て離す(目を開けるのが怖い)愛夢さんを見ないように、口元から胸元へ移動する(鼓動が早い…少しはドキドキしてくれたかな)自嘲気味に口元が歪む「他の人としちゃ…ダメですよ。こんなキスしかできないですけど、愛夢さんのこと…好きで仕方な…」声が震えそうになるのを抑えて言おうとしたのに最後まで言えないいきなり半身を起こした愛夢さんに胸元から引き剥がされ口づけられたから(な、に)
鼻をつままれた時、まさかキスされると思わなかったぎこちなく唇を啄んでくる姿だけでも愛おしかったのに、(愛夢さんが好きで仕方がない)トドメを刺され、今に至る合わせた唇を離したくなくて、擦り合わせるように口づけを続けていると、息苦しさからか優君が顔を背ける赤くなっている頬に唇を押しつける「なに…してるんですか」「優君が可愛くて仕方ないから」優君は横を向いたまま、茶化さないでくださいとこちらを向いてくれない「本当だよ…さっきはごめんね」冗談にしても言い過ぎた、優君が行動に出るくらいに謝罪の言葉にゆっくりとこちらを向いた優君が額を合わせてくる「他の人としないでください。それと今日はもうキス禁止」「しないよ」目の前に戻ってきた唇に軽く触れる「愛夢さん!!」わめき散らしている優君(本当に隙だらけだよ)「もう優君にしかしないから覚悟して」
コメント
2件
愛夢さんもいいけどほかの人も出して愛夢さんが嫉妬するのとか見てみたいです!((全然できればでいいので
リクエストどぞ(っ´∀`)っ!