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「お前が俺の何を分かるんだよ、…もう二度と俺に話しかけるな。」
―何でそんなこと言うの…?ねぇ、…!
「ひかる、おはよ!」
「…おはよ」
あれ、ひかる今日は元気じゃない、何かあったのかな…。
「ひかる、何かあったの?」
「…別に」
「何かあったなら正直に言ってよ、心配だよ…」
「…どうせ噓のくせに。」
ぼそっと言ったけど、確かにはっきり聞こえた。俺、ひかるに噓なんてついて…
「…そっか、俺の勘違いか、ごめん」
そう思いかけたけど咄嗟に言葉が出てしまった。ひかるの顔は少し曇っていて悲しそうだったが、怒っているようにも見えた。ひかるに何か嫌なことしたっけ、でもこんなこと前にもあった気がする。いつかは覚えてないけど、ある冬の日に…。いや、そんなはずないか。ひかるがこんなに暗くなったこと、一度もないし…。
…大丈夫、じゃないよな。
「……。」
ひかるはどの休み時間でも俺に話しかけず、窓の外を眺めていた。今日は曇り空が広がっていて、じめじめしている。雨でも降りそうな感じがした。
「…ねぇ、ひかる、怒ってる…?」
「……何で?」
「今日ずっと静かだし、いつもみたいにツッコまないじゃん…」
「…別に、毎日ツッコまなくてもいいだろ」
声がいつもよりも少し低くて、暗い感じがした。ツッコまなくてもいいだろ、なんて言い訳がましいことをひかるが言ったのは初めてだった。やっぱり、何かあったんだ…。俺に噓だって言ったのも、病んでたりするのかな。こうなったのには何か原因があるはず、ひかるをこっそり観察してみようかな。もしかしたら原因が分かるかも…!とりあえず今日は話は最低限に抑えておこう。
「ねね、みらい」
「どしたん?」
「今日あの2人なんか変じゃね」
「それな」
「何かあったんじゃね、ぴかるんがあーなるようなこととか」
「説あるわ、……あーね。」
「…見えちゃったか、バトエン。」
昼休みになって、ひかるが屋上に向かうのを見たからバレないようについて行った。手すりの近くで何かしてる、まさか…!
「……も、無くなるよな。」
「っひかる!」
手すりに手をかけて乗り出そうとしていたひかるを、ギリギリのところで止めることができた。もう少し遅かったら、……。
「離せよ、何で、今更…。」
「やっぱヤなことあったんだね、ごめん。俺、ひかるのこと、ちゃんと理解してなくて…。」
「…お前さ、そういうとこだよ、ほんと。何でいつも俺に構うんだよ、何でいつも、…!」
ひかるの顔は見えないけど、声が震えてたから泣いてると思うし、怒ってると思う。俺は結局、ひかるを大切にできないんだ。何でひかるを守れない?何でひかるの気持ちに気づけない?そんな自分に腹が立つ。腹が立つ、けど…。
「ひかる、苦しかったし、寂しかったよね。辛かったよね。俺に言えないくらい。…別に言えなくてもいいんだよ、けど、そこまで放置してほしくない。でもそうなったのは、俺の所為だから。ほんとに、……ごめんね。」
「……お前がほんとにそう思ってるとは思えない、信用できないんだ、今の俺じゃ。お前のこと。…お前が俺の何を分かるんだよ、…もう二度と俺に話しかけるな。」
何でそんなこと言うの…?ねぇ、…!
「…馬鹿、ひかるのばか…!そんなことになるまで誰にも言わないなんて、どうしてそんなに自分を大切にしないの!?もっとさ、自分を大事にしようよ、ひかる!」
「……。そうだよな、自分を大切にできないやつなんか、…。じゃあな、正義。」
「っひかる!」
さいごに俺の名前を呼んでた。けどほんの一瞬視界が上下反転して、強い衝撃と一緒に頭がぼーっとしてきた。ひかるは腕の中で目を閉じているけど、頭らへんに赤い何かが見えた。あれ、何か、ヤバ、いかも…おれ、ちゃんと、ひかるを、まもれ、た、のかな………。
「なんで、なんで…!なんでこんな時ばっかりギリギリ間に合わないの…」
「…結局こうなる未来に収束するなんて…!」
「多々くん、黒井くん、、、!どうして、、、!!」
「…ふざけんなよ、こんな馬鹿みたいなことして、…!」