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今年の誕生日は日曜日なので、土曜日から前夜祭と称しまずは彼女の家で過ごす。
「来たみたいだな。」
「そうですね、いってきます。」
インターホンが鳴ったのはきっと注文したオードブルが届いたから。彼女は玄関へ急ぐ。
「荷物貰うよ。盛り付けとくから。」
「ありがとうございます。」
リビングに戻って。
「我が家のボジョレーもやっと解禁です。」
グラスとワインも並べる。それを注げば。
「杢太郎さん、お誕生日おめでとう前夜祭です。」
「前夜祭に乾杯。」
食事とワインを楽しんだら。
「あ、ちょっ…!!」
後片付けをしながらのボディタッチがくすぐったくて笑いがこぼれる。片付け終わって、ベランダで一服する菊田と夜出かける服を選ぶ彼女。
「それがいい。アクセサリーはこれが。」
戻ってきて、選ぶのを手伝ってからはソファで微睡む。先に目が覚めた彼女はお化粧をはじめる。
「おはよう。」
「おはよう。さて俺もおめかしするか。」
外に出れば悠然と街を闊歩する2人の姿に誰もが振り向く。
あの2人美男美女過ぎない!?ヤバい!!
時折聞こえる声に2人は顔を見合せ無邪気に笑いあう。
「バー行く前に何か食べるか。」
「はい。」
「どんなバーなのか楽しみだ。」
カフェで食事を済ませてお待ちかねのバーへ。
「杢太郎さん、入る前にこれを。一足早いプレゼントです。」
「ありがとう。開けていいか??」
「はい。」
「シガリロ??」
「そうです。ここ、シガーバーですから。」
「なるほど!!いやぁ、ありがとう!!ん??まだある…。ジッポだ!!」
「シンプルなのがやっぱり映えるなと思って。」
「ありがとう!!大事にするよ。さ、入ろう。」
彼女の手を引いて中へ入る。
「何飲む??」
「ロレットレモネード。杢太郎さんの誕生日のお酒です。」
「それはまた粋なことを。じゃあ俺もそれで。」
さっそくシガリロに火をつける。その仕草が彼女は大好きで、それに気づいている菊田は悪戯っぽく笑ってみせる。
「1本吸うか。」
「良いんですか??」
「いいよ、ほら。」
受け取ると火を着けてくれる。実は彼女、時折菊田とタバコを吸うことがある。
「ちがいますねやっぱり。」
「そうだな。」
ウィスキーにカルヴァドスを嗜んだあとは、高級アイス片手に菊田の家へ。
「はぁ、もう待てない。」
「さすがに待ちましょうか!?」
お風呂が沸くのが待ちきれないらしく、彼女の服を脱がしにかかる。
「溜めながら入ろう。」
「そうですね、じゃなくて!?」
脱がされたので入るしか無くなった。
「ん、ちょっ…!!」
シャワーと一緒にキスが降ってくる。シャワーに濡れた姿が色っぽくて、彼女もつい熱が入って積極的になる。
「続きはベッドで。」
冷えた体を温めたら、暖房の効いた部屋でアイスを食べる。
「あと少しで日付けが変わりますね。」
「ほんとだ。」
食べ終わる直前で。
「もういいか??」
「…いいですよ。」
最後の一口を菊田が食べさせる、そしてベッドへエスコート。
「今年は最高の誕生日になりそうだ。」
「来年は今年より最高の誕生日にしましょうね。」
「そうだな。」
その声音、表情には慈愛が籠っている。
サイドチェストにおいてある時計に彼女は目をやった。
「改めて。杢太郎さん、お誕生日おめでとうございます。」
「ありがとう。」
キスから始まる、最高な誕生日の幕開け…。