△国名 は心の声です
□フランス
帰るの早くない?結構歩いた気がするんだけど…
いや街並みがあまり変わっていないからか?錯覚でも起きてるんかな…
〇イギリス
頭痛が酷いですね…
痛み自体はそこまで酷くないのですが、脳内に洞窟のように反響する音と痛感がどうも不愉快です。
流石に歩き続けられる余裕がないので少し休憩しましょうかね…
□フランス
う〜んどこにいるかな。空港までは道は同じはずなんだけど……
〇イギリス
もう何も考えられないです。考えたくもないですね。
突然思い出したくもない過去に襲われます。
目の前の人の評価が気が気でないです。
関係ない声も自分に向けられたものと感じてしまいます。
ストレスは蓄積されていきます。
身体も不調です。
自分がどれだけ絶望的な状況にいるかがわかりますね。
別に過去に襲われることも評価が気になることも1回あたりの負担はそこまで多くないです。
しかし蓄積されていくと重みを増していきます。
家に戻るのも苦痛ですね。
ふっと痛みなく意識を失いたいものです。
そんなこと出来ないなんてわかっていますが。
□フランス
おっ…?あれイギリスじゃない?やっと見つけたよ…
イギリスがベンチに座ってて良かった〜
普通にイギリスが歩いてたら知らない間に追い抜かしてたかもしれないな
ラッキ〜
フランス「お〜いイギリス〜」
フランス「…お〜い」
フランス「聞こえてる?」
フランス「寝てる?起きて!」
イギリス「…え?あ、えっと、どうされました?」
フランス「いやスマホ忘れたでしょ?だから届けに来たんだよ」
イギリス「…あ、すいません、有難う御座います」
〇イギリス
びっくりしました…頭痛のせいか音が脳を突き刺すもののぼんやりとしか理解することができません。
□フランス
ほらやっぱりなんか変だよね…
フランス「イギリスらしくないな〜どうした?」
イギリス「…らしくないと言いましてもいつも通りですよ」
フランス「本当?」
イギリス「本当です」
フランス「…………本当?」
フランス「……聞こえてる?」
イギリス「…あ、すいませんなんですか?」
フランス「そんなに耳遠かったっけ?反応も遅いし」
イギリス「周囲に人もいますから仕方ないです」
フランス「いやにしてもよ?」
イギリス「少し疲れているだけです」
フランス「そうか……?」
フランス「…よいしょ」
イギリス「え?何しているんです?」
フランス「何って一緒にベンチに座って肩組んでるだけだよ」
イギリス「急にどうされたのですか…」
フランス「どっか調子悪い?」
イギリス「唐突ですね…別に大丈夫です」
フランス「本当?」
イギリス「本当です」
フランス「嘘ついてるでしょ」
イギリス「何故そう思うのです?」
フランス「自分等幼馴染じゃん、なんとなくわかるよ」
イギリス「幼馴染なのですか…」
フランス「んーそこはどうでもいいとして!」
フランス「それでどうなの?どっか不調でしょう?」
イギリス「………………………まぁ、少し」
フランス「ほらね〜どこが悪いの?」
イギリス「頭が少し痛みますね」
フランス「近くに薬局あるけど頭痛薬飲む?」
イギリス「…いえ、結構です」
フランス「そういえば薬苦手だったっけ、空港まで歩けそう?」
イギリス「…それくらい大丈夫です」
フランス「本当?肩持つから一緒に行こうね」
イギリス「大丈夫ですよ…」
フランス「今フラフラしてるよね?歩いたらもっと酷くなるよ」
イギリス「よくフラフラしているだなんてわかりますね…」
フランス「肩に手乗せてるからね、大体の感覚でわかるよ」
イギリス「絵師ってそこまで手が繊細なのですね…」
フランス「あはは、ほら休めたでしょう?そろそろ行こう」
イギリス「はい…有難う御座います」
フランス「いいっての」
〇イギリス
フランスってこんなに気遣える国でしたっけ…
幼馴染ですか…嬉しいですね
私にも親しい人がいたのですね
此処まで胸が暖かくなったのはいつぶりでしょうか
□フランス
イギリス大丈夫かな…にしても嬉しそうな顔してるね
そんな顔みたのいつぶりかな~こっちも嬉しくなるよ
フランス「空港着いたね、頭痛はどう?」
イギリス「マシにはなりました」
フランス「良かった~心配したんだからね」
フランス「ほら君の親愛なる友人がここにいるんだから何かあったらちゃんと頼ってよね」
フランス「今の時間って…待ってヤバい!次イタリア行かなくちゃなんだよね、もう行かなくちゃフライトに間に合わない!ごめんまた後でね!」
□フランス
真面目にやばい空港って広いから迷っちゃうんだよね
急がないと!
イギリス「あ、はい……」
〇イギリス
あれ…目頭が熱いですね
私に足りなかったのは、私と真反対の、ポジティブだけど気の使える、そんな「親愛なる友人」でしたか
親愛なるフランスさん、
有難う
コメント
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うわぁぁぁ…軽い気持ちで見始めたけど神や…