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あのことから一週間くらい、仕事にも慣れて日々を楽しく過ごしていた。
「アグリさん、そういえばココラさんってどこにいるんですか?」
最近、ココラさんを見ていなかった。
そういうとアグリさんもあー…という顔をしてこちらを見る。
「知らん!! そっちこそ見た?」
「見てないから言ってるんですよ…」
「……あ、そっか」
私はため息をつき、アグリさんはポカンとしている。
アグリさんとココラさんは同期らしく、おんなじ日に天使になったらしく、天使になった 時はとても明るい女の子だった。なのに変わってしまったみたい。
今のココラさんは冷静で人にあまり関わらなくなってしまった。
「ココラはなーたぶん…エテア教会にいるんじゃ?」
「エテア教会?」
エテア教会、それはここにある一番大きな教会。と聞いたことがある
「まぁ、ココラに会いたいならエテア教会行けば?」
「んー…とりあえず行ってみようと思います! ココラさんと少し話をしたいので!」
「いってら! あっ、地図渡しとくね!」
アグリさんには私が方向音痴ということを分かっていたらしく、詳しく書かれた地図を渡してくれた。
そのおかげでなんとか迷わずに教会へ行くことができた。ありがとうアグリさん…
「おぉ…素敵…」
エテア教会は全体が白いレンガなどを基調にしていて、窓はほとんどが青色のステンドガラスで彩られており、大きな扉の上のものには水色のワンピースを着て胸に手を当てている天使が描かれていた。
「お、お邪魔しまーす」
大きな扉を開いた先にはザ・教会みたいな中だった。木で、背もたれに花の絵が小さく掘られた長椅子と、奥にはパイプオルガンと大きな窓。
「こんにちは、ようこそお越しくださりました」
「こんにちは…」
受付にいたお姉さんが手で椅子の方を指し「好きな席にどうぞ」と言った。
そのお姉さんは白を基調としたワンピースを着て、十字架に羽が描かれた刺繍を胸につけていた。お洒落で素敵だ…
服に見惚れていると、はっと目的を思い出しあたりを見回す。
「っ!」
前の方の椅子のはしっこににココラさんらしき人がいた。
そして、その椅子の方に歩いた。
「あの…ココラさん、ですか?」
私はココラさんらしき人に話しかけた。
その人はふっと振り返り、こちらを見る。ココラさんだ
「あ、え、ライラスちゃん…?」
動揺しつつ、私の名前を呼ぶ。
「よかった…アグリさんも私も探してましたよ〜」
「ぁ、はい、ごめんなさい…」
「どうしたんですか? 最近見なかったんですけど」
そう言うと、驚いた様子で私から目を逸らした。何か、深刻化なことでもあるのかな…?
「えっ、と、その、あの…」
しどろもどろになり、うまく話せなくなっているよう。
「落ち着いて、話したほうがいいですよ!」
私はココラさんにそう言った。
すると少しづつ落ち着きを取り戻していった。
「あ゛ッ…あ、のね。嫌なことッ思い出しちゃって…ちょっと」
俯き、苦しそうな声を出しながら、私に話してくれている。
そんなココラさんの背中を優しくやさしく叩く。
「昔ね、大切な人ッなくしちゃったのッ、私のせいでっ」
「だからッ許されるように、祈ってたの…」
ココラさんは、はぁはぁと息を吐きながら苦しそうにしている。
私はそれを見ることしかできない。けど、言っていることはすごく分かる。
前世、死ぬ前の時のこと。
・・・
「みーちゃーん!!」
「よりちゃん!? どしたの?」
私にはみーちゃん、本名を帆野みいなという友達がいた。
学校一すごく頭がよくて、みんなの憧れの存在だった
みーちゃんは対して頭もよくない私に優しくしてくれた。わからないところを教えてもらったりよく公園で遊んだりもした。
「あのねあのねっ! みーちゃんは来世何になりたい〜?」
「来世かぁ…私猫になりたいかな! 猫になって自由気ままに旅するんだ〜♪」
「なるほどなるほど〜」
その時私は図書館人気の心理テストの本を手に持ち、パラパラとページを捲る
さっき質問したことの答えが書いてあるページに辿り着くとそのページをじっと見る。
「来世猫になりたい人は運動が苦手だってーーーー!」
『来世猫になりたいと答えた人は運動がニガテ! 猫は体が柔らかいから液体なんて言われたりするんだよ〜♪』と書かれたページをばん!と見せる。
それを見るとみーちゃんは「えー?」と言い、疑いの目をしている。
「みーちゃん持久走遅いもんねぇ〜?」
「だ、だってーーー! 運動場6周は無理だよーー…」
「あたしは全然走れたよ? みーちゃんはタイム9分ー?」
「言わないでよ! もーーー……」
ほっぺたを膨らませ、むーっとした顔になるみーちゃんを私は見つめる。
かわいい顔をしている
「だって…よりちゃんは速すぎるんだよーーーっ!!」
わーーっと叫ぶみーちゃんの声は5年2組の教室と、廊下から聞こえる雑音によって私にだけ聞こえる声量になる。
そんな日常が愛おしい。そう、愛おしかった
あの日、あの後みーちゃんは交通事故で亡くなった。
目の前で、血だらけになって、そんなみーちゃんに近寄ることができなかった。
あの時そばに寄っていれば、何かしていれば、庇っていればよかったのに。そんな後悔がずっと私の心に呼びかけられている。
だけどみーちゃんらしい死に方だと、不覚にも思ってしまった。
だって、みーちゃんは猫が大好きだったから。
「みーちゃん…? 嘘だって言ってよ」
一輪の花を片手で持ち、木箱の中に入ったみーちゃんに呼びかける
「まだ、生きてるって言ってよ……」
当然、返事が返ってくるわけもない。
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ
頭の中はその言葉と信じられない気持ちで溢れていた。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嘘だ
今でも認めていない、みーちゃんが死んだということを信じられていない。
・・・
「きっと、もう許されてますよ。大丈夫です…よ」
先輩にこんなこと言ってもいいのかな…なんて謎に不安になりながらも私はそう言った。
「あ゛ッ…?そんなはずッない…」
下を向いて、顔を手で塞ぐココラさんに私はずっと言う。
「大丈夫ですよ。その子も、もう許してくれてるはずですよ」
こんな言葉を5回ほど言っていたらココラさんは少し顔を上げた。
「……う、ん…大丈夫ッなのかな…」
「そうですよ!」
「…なら、もう祈らなくても…、」
「祈りはしといてもいいかもですけど、そこはお任せします」
そこはきっぱり言う私にすこし笑ってくれた気がした。
「…仕事、行かなきゃだ」
最近見ていなかったから、仕事にも行ってなかったんじゃないかな…?と謎に考えていたが、口には出さなかった。
ココラさんは立ち上がり出口の方へ向かった。そして手を振って外に出ていった
「…綺麗なところだなぁ…ここ」
教会の中をもう一度見渡すと小さな花が入った花瓶などがところどころに置いてあり、白い教会に淡い色の花がとてもあっている。
「祈っておこうかな…せっかくだし」
手を合わせ、小さな願い事をした。
どうか、どうか、みーちゃんが幸せで天国にいていますように。
…そうだけ願って、教会をあとにした。
⋆⁺₊夢依存₊⁺⋆
#🫧💙🐈⬛
浅黄琥珀 🎨🫧、💫🪐
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#天使