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最近、私はちょっとした悩みを抱えている。
それは、藤原颯真のことだ。
私たちはずっと幼馴染で、お互いに何でも話せる仲だと思っていた。でも、最近、颯真が他の女の子と話しているのを見かけるたびに、なんだかモヤモヤしてしまう。私はただの友達だと思っていたのに、どうしても気になってしまう。
「ねぇ、萌音、最近颯真とどうなの?」
ありさがニヤニヤしながら質問してきた。あたしは手元の本を閉じて、困ったように笑った。
「えぇっ、別に何もないよ。ただの幼馴染だし。」
「ほんとに?」ありさは目を細めて、何かを見透かしたような顔をしている。
「ほんとだってば!」
でも、心の中では、確かに颯真との関係が少しだけ変わった気がしていた。
バイトが終わった後、颯真から連絡があった。
「今日、ちょっと会える?」
私はすぐに返信した。
「うん、どこで会う?」
颯真はすぐに近くのカフェの名前を教えてくれた。なんだか、少し緊張するけど、嬉しい気持ちもあった。
カフェで待ち合わせをして、颯真と顔を合わせた瞬間、ちょっとだけドキッとした。颯真は普段と変わらず、穏やかで笑顔を見せているけれど、なんだか今日はいつもと違う気がした。
「お疲れ、萌音。」
颯真はいつものように挨拶して、席に座った。私も少し照れくさそうに座る。
「うん、お疲れ様。」
しばらく何を話そうか迷っていると、颯真がふと真剣な顔をして、話を切り出した。
「萌音、最近、なんか変だよね。」
「え?変って…何が?」
私は思わず驚いて、颯真を見つめた。
「なんか、前みたいに自然に話せてない気がしてさ。」
それを聞いて、私は思わず息を呑んだ。確かに、最近、私の中で颯真の存在が少し大きくなっていた。でも、それを言われると、急に心の中がぐちゃぐちゃになった。
「そんなことないよ。」
「ほんとに?」颯真は少し不安そうな顔をしている。
その表情が、どこか切なそうで、私の胸が痛くなった。
「うん、ほんとだよ。」
そう言って、笑顔を作ろうとしたけど、上手くできなかった。颯真はそんな私を見て、やっと理解したような顔をした。
「…じゃあ、もう一度ちゃんと聞くけど、萌音、俺のことどう思ってる?」
その言葉が、私の胸にずしんと響いた。
「どう思ってるって…」
言葉に詰まってしまう。私の心の中では、颯真のことが好きだってわかっていた。でも、それを口に出す勇気がなかなか出せなかった。
「…やっぱり、俺のことはただの友達だって思ってるのかな。」
颯真が少しだけ肩を落とした。その姿を見て、私は気づいた。
「…ううん、違う。」
私は思わずその言葉を口にしていた。
「颯真のこと、好きだよ。」
それが、私の気持ちだった。
颯真は一瞬驚いた顔をしたけど、すぐに嬉しそうに笑った。
「ほんとに?」
「うん、ほんと。」
「…俺も。」
その時、私の胸の中に、すごく温かいものが広がった。
その後、颯真と話しながら少しだけお互いの気持ちを確認して、やっと気持ちがすっきりした。
「じゃあ、これからももっとお互いに素直になろうな。」
颯真はそう言って、微笑んでくれた。
私はその笑顔を見て、心から安心した。
これからも、颯真と一緒に過ごしていける。そう確信できたから。