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#兄弟パロ
かの
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#暁山瑞希
ねる
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あまり遅くならない内に、解散となった。ワンダーランズ×ショウタイムの3人の類への第一印象は“倒れてる人いる”なので、送っていこうか?大丈夫だよ。の押し問答をしてから、類は自宅へ赴いた。家へ帰るのに、この日、類は自分の陰があまり気にならなかった。
類(この日常があるなら、耐えられる)
家の扉が幾分か軽く感じた。
朝比奈母「あら、おかえりなさい。遅かったわね?」
母さんは笑顔で言った。
類「…自習室に行ってて」
朝比奈母「勉強するだけなら、家でも良かったんじゃないの?」
類「た、偶に場所を変える方が、捗るかと思って…」
朝比奈母「そうなのね。ちゃんと考えていたなら、いいわ」
緊張感のある会話をした後、類は自室に鞄を置く。そうしてから、手洗いを済まし、自室へ戻ったのだが。
類「かあ、さん…」
類の自室で、母さんはショーの台本を持って立っていた。
朝比奈母「類。説明してちょうだい?…コレは、何?」
鞄にしまっていた筈だ。なのに…。そこまで考えてから、類は視界の端に映る鞄の口が開いている事に気付いた。…明けっ放しにしていた記憶は無い。
類「ぁ、えと…あの…」
朝比奈母「言葉にしなきゃ、分からないわよ」
母さんはその言葉と共に眉を下げ、キツイ表情を緩めた。普段ならそんなもの、分かった筈だ。でも…。でも、光を直視して、気が緩んでいたのかもしれない。
類「えと…友達に、貰って…その…」
朝比奈母「友達、ねえ。」
ビリ。
母さんは類の言葉を受け止めて、それから、台本を躊躇なく破り捨てた。
類「ぁ…」
朝比奈母「舞台?ショー?…はぁ」
類「……っ」
母さんの溜め息に、思わず体が凍る。凍ってから、解けるように体が小さく震えた。
それが緊張か、恐怖か、喪失感か、絶望か、類には分からない。感情を分類分けできるほど、感情的に生きてこなかったから。生かせてもらえなかったから。負の感情を混ぜ合わせたような、初めての感情に、類は吐き気すらした。
朝比奈母「貴方がこんな稚拙な子供の遊びに付き合っている暇は無いでしょう。サッサと別れて勉強に集中しなさい。」
稚拙、子供の遊び。
類「で、でも…」
朝比奈母「何?まだ分からないの?貴方の才能は、もっと価値のある事に使われるべきなの。」
…反抗の言葉は、言葉になる事なく類の喉に引っ掛かったまま、再度飲み込まれた。
何か、大切にしなきゃいけなかったようなものに、ヒビが入った気がした。
類「…はい。」
朝比奈母「分かってくれたなら良いわ。賢い類なら分かってくれると思ってた。さぁ、勉強なさい。」
類「はい。」
母さんはそう言い残してから、部屋を出ていった。顔を上げた類の目は、黒く淀んでいた。
まふゆ「…類?」
檸檬のエナジーゼリーを持って来たまふゆが最初に感じた違和感は、類が振り向かないことだった。最近の類は、話したいと振り向くのに。
ただ、ひたすらに勉強机に向かっている。
その手は以前のように…否、以前より、…早い。
まふゆ「類…」
その時初めて類がゆるりと、怠慢な動きでこちらを見た。ペンを持ったまま。
類「姉さん…」
まふゆ「…いる?」
類「…うん」
沈んだ、目。
まふゆ「今日も、聞かせてよ。…ショーのこと」
話題転換のつもりだった。…実際、話題転換はできていた。悪い方向で。
類「ないよ、もう」
目を落とした。無表情ながらも痛々しい類も、その一言で全てを察してしまったまふゆも。
まふゆは思わず、類を抱きしめた。
まふゆ「る、い…」
抱きしめても、まふゆに言えることは無かった。檸檬味のエナジーゼリーは、衝撃で落としてしまった。温かいとは、思えなかった。
類「どうしたの、姉さん」
まふゆに抱きしめられて尚、類は問題を淡々と解いている。類の左側にも右側にも、参考書が積み置かれている。その一番上は、東都大学(※既存の大学をモデルにしたオリジナル大学)の赤本。
まふゆ「…忘れないで、避難所を、忘れないで、光を。」
まふゆは抱きしめる力を強くした。
類「…僕にはもう…才能しかないから」
コメント
5件
うわ……めっちゃ胸にくる回だった……。 あの一瞬の温かさの後に、母に台本破られるシーン、手が震えたわ。 類が「ないよ、もう」って言うところ、ほんと辛かった。 それでもまふゆが「私を忘れないで」って抱きしめるのが唯一の救いだよね。 才能って呪いみたいに背負わされてる感じ、刺さりすぎた……次、どうなっちゃうんだろ。