「お邪魔しまーす」
もう数え切れないほど入ったイギリスの家だが、一応形ばかりの言葉を口にしてから彼の家に踏み入る。
イギリスは疲れからか車内で眠ってしまったらしく、僕の手の中ですやすやと眠っている。こいつ、黙ってれば可愛いのに、、、
なんて思いながらイギリスをベッドに寝かせる。スープでも作ろうかな、とキッチンに向かうとインターホンがなった。どうやら日本が来てくれたようで、片手には袋を抱えている。ドアを開けて出迎えると、心配だったから代表で差し入れをもって来たという旨だけ説明して、家に上がることなく帰って行った。
いや、ここまできたら一緒に看病するやつじゃないの?とツッコミを入れる時間もなかった。早かった。袋の中身を確認すると、冷却シートと日本で風邪の時に飲むらしい飲み物、あとはスープの材料になりそうなものが入っていて、さすが日本だ、、、と感心した。
体温計や先程の差し入れを持ってイギリスのいる部屋を訪ねる。僕はまだ寝てると思ってたんだけど、どうやら起きていたらしい。
「かえっちゃったのかとおもいましたぁ…」
ぐすぐすと泣きながら僕の服の裾を握る。随分とぐずぐずになっていて、こりゃあ今回はかなりの高熱かな〜と思いながら彼の脇に体温計を挟める。
「イギ、ちょっと冷たいよ〜」
そう言ってから、イギリスの額に冷却シートを貼る。イギリスがぴく、と反応したところで体温計がなって、確認するとなんと39度。イギリスは何度だったかと尋ねるけど、あんまり高いので言わないでおくことにした。
「飲み物とかここ置いとくね、僕スープ作りに行ってくるよ」
そう言って、彼に背を向ける。だけど、弱々しく裾を掴まれる感覚で立ち止まった。
振り返るとうるうると瞳を揺らしながら、行かないでくださいと僕の裾を掴む手を震わせる。そんな可愛い可愛い彼を置いていけるほど僕は薄情なやつじゃないので、彼のベッドの隣に座る。ほっとしたように目を瞑るイギリスの頭を優しく撫でると、もっと、というように僕の手に頭をすりすりと押し付ける。
やがてイギリスから聞こえる可愛らしい寝息を聞いてから、僕はキッチンに向かった。
コメント
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体調悪くなったり寝ぼけてたら甘えるっていうの素晴らしいね(真顔) んふふ、イギちゃん可愛いいぃぃぃッ!
最高だよ、、ぬさ丸!