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「 ん ~ “ 。 誰も契約してくれないな ~ 、… 」
あるホテルの廊下で
1人の悪魔が不貞腐れていた 。
「 後ちょっとの所でいつも誰かに邪魔される 、 … 」
〈 ついこの間だって 、 このホテルに人間が来て折角のチャンスだから
契約させようとしたのに受付の蜘蛛男に邪魔された 。 〉
「 サインを書くだけなのに皆ケチだな ~ 。 」
『 … ん ? 』
ホテル内を警備がてら散歩していると
廊下に悪魔の尻尾を微かに左右へ揺らし 、
不貞腐れてますとでも言いたげの態度をしている悪魔が居た 。
手には何かの紙を持っている 、この前受付が話してた悪魔かな 。
祓魔師として悪魔なんてすぐ祓うべきなんだろうけど 、
折角だしちょっと遊ぼっかな 。
『 そこの悪魔さん ~ 』
「 ん 、? 」
背中に2本生えている悪魔の羽が
微かに上へ上がり 、 悪魔の視線がこちらへ向く 。
「 誰 、? 」とでも言いたげな顔をしている為 、
僕がこのホテルの祓魔師とは知らないらしい 。
『 実はさっき偶然会ったお客さんに聞いたんだけど君 、 契約者を探してるの ? 』
僕が” 契約 “ と言う言葉を口にすると
さっきまで床にへたれていた尻尾が上にぐんと上がる 。
「 態々その話を聞いて僕話しかけたってことは契約してくれるの ? 」
さっきまで不貞腐れてたのが嘘みたいに突然元気になる 。
尻尾を左右にぶんぶんと元気よく振り 、 上下に羽を羽ばたかせている 。
『 うん ! してあげるから契約書見せてくれる? 』
僕がそう言って手を出すとすぐに手の平に 契約書の紙が乗せられる 。
説明の文を見ると相手が得をすることばかり 、
こんなの今から詐欺しますよ!とでも言っているようなものだ 。
『 ん〜 、 此処さこうした方がいいんじゃない ? 。 』
「 え ? 。 … 確かに 、 」
僕は悪魔への得が増えるように説明文を
変えた方がいいとアドバイスをする 。
その後もアドバイスをし続ける 、
最初は悪魔に得な事ばかりのアドバイスをした為 、
悪魔はもう変更する内容を一切聞かず 、
頷きはじめる 。
そうなったのならもう僕のやり放題 。
次は僕が得になる事 、 悪魔には害になる事を
アドバイスするが 、 悪魔はずっと頷く 。
『 はい契約したよ ♪ 』
好き放題変えた後 、 遂にサインを書き 、
悪魔に契約書を見せる 。
さっきから聞いていなかったのは自覚があったのか
悪魔はじっと契約書を見つめる 。
「 … ぇ 、 」
さっきまで元気よく振っていた羽と尻尾が
突然下へと下がる 。
『 今日から宜しくね悪魔君 ? 笑 』
「 ぁ 、 … 」
悪魔の顔が青ざめ 、 体が微かに震えている 。
逃げたそうにしているが 、もう手遅れ 。
契約してしまったのならもうそれで最後 。
悪魔は相手を罠に掛けるつもりが 、 自分が罠に掛かってしまった 。
せっかくだし今日から僕の玩具にしよう ♩
続く ?