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ふかふかな芝だったから、
大して痛くなかったけど
あぁ、、、なんて無様
踏んだり蹴ったりってきっとこの事
○○『はッ、お弁当ッ!』
芝についてる両手を見て、
お弁当がないことに気付く
どこに落とした!?
慌ててキョロキョロ首を
四方八方に動かした私の目に
飛び込んできたのは
○○『う、そでしょ、』
宙に浮いているお弁当箱
○○『ひゃああッ!』
ひ、人!?
いや、正確には、伸ばした
両手の中にすっぽり収まっていた
、、、芝の上に
寝っ転がっている男の子の手に
○○『あのぉ、、、』
生きてるんだよね、?
そろりそろりと近づいて
声をかけると、鋭い瞳がギロッと
動いて私を見た
○○『、、、ッッ!』
彼は気だるそうに起き上がると、
「はい…」と、ぶっきらぼうに
お弁当箱を渡してくれた
○○『ありがとうございますッ』
彼の黒いズボンには、
白っぽい跡がついている
それって、、、
○○『もしかして、、!』
○○『私、踏んじゃいました?』
もしかしてじゃなくて、
絶対にそうだ
私が踏んだ柔らかいのって、
この人だったんだ、、!
そうと気づいたら、
冷汗がドバッと出てくる
○○『ご、ごめんなさい!』
私ってばなんてことを!
人を踏むなんて、中々ないよね
とにかく私は平謝り、、
彼は、膝黒の髪の毛に青い
メッシュが一部入っていて、
雰囲気は、、、不良さんみたい、?
制服の胸元は大きく解禁していて、
ネクタイも締めていない
かなり着崩しているし、
耳には小さいピアス
そして、氷のように
冷たい顔をしていた
必死に謝る私に彼は返事を
するまでもなく、そのまま
またゴロンと横になり、
目の上に腕を乗せた
、、、関わりたくないって事?
そ、そうですか、、、、
一応謝ったから大丈夫だよね、?
私はその場を離れ、
ベンチに腰掛けた
近くに彼がいるのは微妙だけど、
私も早く食べないと、
時間がなくなっちゃうし
ランチクラスをほどき、
両手を合わせて
○○『いただきます。』
タッパーの中には、
カラフルに彩られたおかず
卵焼きにブロッコリーにトマト
今日は手の込んだものが
作れなかったら、
素材そのものが多い
それでも、彩りよく詰めてきたのに
○○『あ〜ぁ、、』
こんな気持ちでひとりきり
学校の隅っこで食べることになる
なんて、想像もしてなかった
箸先を口に咥えながら、
さっきの男子生徒はまだ寝ていた
お昼ご飯….食べないのかな?
手ぶらだし、食べた形跡もない
私はそっと近寄って、
○○『あのぉ、、』
腕をずらして、片目をあける彼は
めんどくさそうに私を見た
??『、、、なんだよ』
想像以上に冷たい声に、
一瞬ひよるけど、
勇気を出して言った
○○『お昼ご飯、、
食べないんですか、?』
??『いらねぇ、』
えっ、食べないの?
食欲旺盛なはずの男子高校生が
お昼ご飯を食べないなんて
信じられない、、
○○『そんなのダメですよ!』
??『、、あ?』
もう片方の目も開く
今にも噛みつかれそうな
鋭い瞳に負けずに続ける
○○『母が食べることは、
人生の基本と言っていました。』
??『、、はぁ?』
○○『人間食べてなんぼです!』
どんなに辛いことがあっても、
食べることだけは、
辞めちゃダメなんだって
それが、生きることだって。
??『しらねーよ、んなの』
彼は興味なさそうに、
再び瞼を閉じてしまった
身長はありそうなのに
すごく細身の体
もしかして、
栄養不調だったりする、、?
寮に住んでるんだから、
食べ物には困ってないはずだけど、
○○『アレルギーはないですか?』
??『、、、』
いよいよ彼は
答えてくれなくなったけど
私はタッパーの蓋に、
おかずをいくつか取り分けた
そしておにぎりも一つ
もしかしたらお友達と
おかず交換ができるかな?と思って
少し多めに持ってきてたんだ
○○『ここに置いときますから、
少しでも食べてくださいね!』
キーンコーンカーンコーン♪キーンコーンカーンコーン♪
すると、チャイムが鳴ってしまった
編入してきたばかりで、
このチャイムが何を
意味しているかはよく分からない
けれど、チャイムが鳴るってことは
もうすぐ午後の授業が近いことは
間違いない、、と思う
全く起きる気配のない彼を横目に
○○『じゃあ私は行きますね!』
遅刻なんて絶対できない。
私は校舎の方へと走って戻った