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まだ、全てが他愛もなかった頃。
何故、一つの命は散り、一つの命は覚醒したのだろう。
真相は桜__
桜の花弁が舞い散る頃に_甫裡裕翔_
開幕
桜の四月。
「可愛い子ね、裕翔、清霞」
一人の女性は愛おしそうに齢6,7つぐらいの子供に話しかけていた。
「えへへー!可愛いでしょ!清霞はびしょーじょだけどね、裕翔も可愛い!」
「清霞は美人さんだもんね、えへへ…僕も可愛い?嬉しい!」
其の様子を見ている大人。
「嗚呼、裕翔も清霞も結衣に似ているよ」
隣に寄り添っていた男性がふわり、と言葉を落とす。
「貴方にも充分似てるわよ」
ふわり、桜の花びらが浮く
ぴちゃん。
水の音。
何故、こうなったのだろう。
※この先、閲覧注意
赤、赤、赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血家族家族家族家族家族家族家族家族家族家族家族
「ヒッッ…ぅ、うわぁぁぁぁぁ!!!!!」
_甫裡裕翔、覚醒。其の齢9つ_
「朝ごはんよ〜!」
きっかけは無かった。
否、今でも不明。
「お、今日はフレンチトーストか」
「え!フレンチトースト!?やったぁ!!ほら、裕翔!おーきーてー!」
「んぅ…まってよ…今行くからさ?…あ!わぁい!フレンチトースト!」
席に座り手を合わせる。
「いっただっきまーす!」
「いただきます!」
「いただきます」
そして帰って来る
「召し上がれ〜♪」
明るい声。
「おいしーね!裕翔!」
「そうだね、清霞」
「うんっ!」
ここまでは完璧だった。
そう、完璧だった。
ぴんぽーん。
玄関チャイムの音。
「チャイムだ!」
「…ん…ほんとだ」
「誰かしら?はぁーi__」
「止まれ、結衣。」
「え、えぇ…?」
何時もより低い父の声と戸惑いつつも止まる母。
家の時計の針は朝8時37分24秒。
悪夢が幕を開けた。
「結衣は宅配便を頼んだか?」
「いいえ…頼んでないわ」
「では、近所にうちに来るような人は居るか?」
「いいえ…居ないわね…で、でも、もしも近所の人だったら…?」
「其の可能性は低い」
親の真剣そうな声。
僕達は何も知らずに、コショコショ話をしていた。
「ねぇねぇ裕翔。」
「なぁに?」
「なんでぴんぽんに出ないのかな?」
「んー、何かあるんじゃない?忙しいとか…?」
きっと、善意だったんだ。
否、そんな訳無い。
今でも認めたくないんだ。
「じゃあさ、清霞が出てくるね…!そしたらままに褒められるかなぁ」
「えっ…ちょ、ちょっと待ってよ…」
「なぁにー?用がないならいってきま~す」
大きな声で止めていれば、怒られることを覚悟で話せば、きっと今は…。
「まっ_」
僕の小声の静止を聞かず。清霞は玄関へと音を立てずに歩いていった。
親に伝えるべきだった。
ぴんぽーん。
「はぁーい!」
俺のチャイムに出てきたのはガキだった。
ちょうど9歳ぐらいのだ。
此の家は俺を刑務所送りにした刑事が住んでいる。
荒野結衣基…甫裡結衣、そして甫裡誠史。
憎い。
彼奴等のせいで俺は彼女と結婚できなくなった。
それなのにのうのうと生きて、子供まで作っているだと…?
ますます許せない。
「嬢ちゃん、荷物を受け取ってくれるかな?」
「うん!そしたら私、パパとママに褒められるかなぁ!楽しみ!」
純粋な子供だ。
「そうそう、ちょっと取りに行くから着いてきてくれるかな?」
「はぁーい!」
チョロいな。
直ぐに着いてくる。
裏路地まで誘導すれば良い。
「もうちょっとで着く?」
其の言葉が発せられたときにはすでに裏路地。
「ははっ、すまんな嬢ちゃん。お前の親に恨みがあるもんでよぉ…わりぃけど、消えてもらうぜ」
「え__」
ぐちゃ。
ははっ、ザマァ見ろ。
「ぁ…ぅ……い…よぉ…」
まだ生きてやがるのか。
辛そうだなぁ。
「すまんな、来世は幸せになれよ」
「あら…?裕翔、清霞は?」
娘がいなくなっていた。
「えっ…あっと…あの…」
「別に怒らないわ、何処に行ったの?」
もしかして又かくれんぼ?と言おうとした私の言葉は失った。
きっと私の顔は真っ青だっただろう。
だって、彼も真っ青だったから。
「…玄関に行ったよ」
その言葉と同時に、誠史は走り出した。
「清霞!!」
清霞は無事だろうか、嗚呼、何故、気づけなかったのか。
「裕翔、此のクローゼットに入って声を出しちゃ駄目だよ。ほら、ぬいぐるみさん!ママが開けるまで静かにね」
「えっ…待って!」
そう言い放った後、私は裕翔の静止を聞かずに誠史と清霞の元へ…玄関へと走った。
「誠史!清霞…は……ぇ…?」
目の前に見えたのは肉片になった何かと、いたるところから血を溢れさせている誠史。
静脈だけじゃない、動脈も切られてるっ。
「ぁ、ヒッ」
犯人と思われる黒パーカーの男がこちらを向いた。
にたぁ、と笑っていた。
「結衣…裕翔を…つ、れて……にげ…っ!ぐぁぁぁっ…」
ヤダ、嫌だ。
何で、さっきまで平和だったのに、何でっ
「よぉ、刑事さん」
フードをバサリと脱いだ男。
嗚呼、私が刑事になって始めての頃に捕まえたストーカーさつじんの男だ。
「ッ動くな!手を上げて武器を捨てろ!警察よ、貴方を逮捕する!」
動じるな、まだ助かる、きっと。
此の家からなるべく離れる。
家にはまだ裕翔がっ
「あ゙ぁ゙?…嗚呼そうだ!此の肉片、アンタの娘のものだよ!けけっ!親に喜ばれたくて俺に着いてきてまんまと騙されてやがる!上からプランターが落ちてくるように仕向けてたからなぁ!!」
ヒュッ。
呼吸が出来ない。
ぇ…?清霞…?
上を見れば血。
嗚呼、此の出血量じゃ、誠史も…ッ。
「待って!分かった、何でもするわ!だからっ、だから、私の命だけは助けてっ!」
ごめんなさい。
人間っていうものはね……結局自分の命が一番よ。
此のときの私は勝利を確信し、笑っていた。
隣で、誠史がかすかに悔しがった気がしたが気の所為だろう。
「誰がアンタを助けるつったぁ?俺はお前等をぶっ倒すことが目的なんだよ!!」
「まって!お願い!私はまだ___」
ざしゅ。
首がぁっ
ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ
「ヒュー…」
「警察ってもんも結局は自分第一なんだなぁ!!醜いぜ、無様だぜ!!」
完全に周囲が静かになった頃、周囲を見渡してぽつり。
「復讐は終わった。俺はもう逃げるか…。よし、逃走ルートは確保済み。」
ばたん。どたどたどた。
しんとした空間。
御母さんのなにか声が聞こえた。
男の人の声が聞こえた。
御母さんは何でもすると言っていた。
何なんだろう。
静かになった。
でもまだ声がかかってないから僕は静かにぬいぐるみさんを抱えて待つ。
まだかな、まだかな。
早く御母さんにぎゅーってしたい。
その願いが叶うことはない、なんてことあの時は検討もつかなかった。
僕は御母さんの言いつけをしっかり守っていた。
3日後、警察がクローゼットを開けて僕を保護するまでは。
「こんなの、嘘だッッッ」
次回_
桜の花弁が舞い散る頃に_甫裡裕翔_ 第弐幕