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後宮管理人の翡翠晶
「玉緑様一、月色さん今日は遅いですねぇー。」
仙が木簡を玉緑の机に置くと言った。
「昨日は遅くまで調べ事させていたので遅くなっても良いと言ったのです。」
玉緑は筆の動きを止める。
(ほとんどは食事したという事は言わなくていいだろう。実際調べたし。)
「そうなんですねー。」
と対して仙は具体的な内容は気にしなかった。
「仙、昭容妃についてどう思います。」
「えー、なんですか突然。」
「特に何も無いですが、第一印象はなんでしたか。」
「うーん、、静かな箱入り娘ですかねぇー。」
(やはりそう思うか。でも昨日と以前見た昭容妃なんか美しさが昨日見たほうが、、。)
「遅くなりました。すみません。」
そう言い入って来たのは月色
だ。
「大丈夫です。昨日はありがとうございました。」玉緑は営業笑顔を月色に向ける。
「寛大な心に感謝ですね。」
「そうですねぇー。月色さん仕事頑張って下さいねぇー。ここに木簡の山あるんで。」
「はい、手伝いますね。」
月色は仙に微笑んだ。
・・・
梅雨棟
玉緑と昭容妃は茶会をしていた。
((聞き込みだけど。))
「昭容妃様、ご機嫌よう。」
「玉緑殿、、ご機嫌よう。」昭容妃はか細い声で言った。
「最近、毒が入っていると仰ってましたよね。」
「ああ、はい!だってお茶が紫色になっておりましたから!」興奮気味に答える。
「しかし、そちらの侍女頭によると変わった様子ではないと。」
「それは違いますよ!この侍女頭は夜な夜な私の部屋を覗いているんです!!」
(それは昭容妃の様子を見ているからだろう。元々身体が弱かった昭容妃を心配しての事なのに、、今日も変だな。)
「そちらの侍女頭は前皇弟妃から下賜された方ですよね。もしかして前皇弟妃を疑っておりますか?」
最後の一言を低い声で言う。
「えっ、そうじゃなくて、、でも確かに、、。」
「では用事を思い出したので失礼しました。」
・・・
玉緑と月色は翡翠晶に戻る道で先程の昭容妃の様子を思い出していた。
「玉緑様、昭容妃には訳が有りそうです。」
「そうですね。しかしこの前まで想像付かない様子が今回見れた。」
「はい、もっと近づいたらより訳が分かりそうです。」
(もっと近づくねぇどうしようか。侍女として私が、、。いや、顔が知られているから無理だ。昭容妃が話した事がない人、、。)
玉緑はちらりと後ろの女装した凛々しい男を見た。そしてニヤリと笑う。
「どうされました?」事情を察したのか月色は引き気味に言う。
「月色、昭容妃の侍女として訳ありの内容を調べてくれませんか。」
「え、嫌です!私がこの姿だけで変だと思われるのに!こればかりはお断りします!!」月色は頬を赤く染める。
「冗談ですよ。」
「肝が冷えましたよ。玉緑様は冗談抜きで恐ろしい事を仰りますね。」ぷるぷると震えて怖がっている振りをしている。
(本当は顔に劣らず肝が据わっているくせに。でも今回ばかりは可哀想な事を言ってしまった、、。)
玉緑は1人、反省した。
((ここまでにします。))