今回からはまた涼ちゃん視点になります。
あのテレビ放送番組出演の数日後、今日の仕事を終えて部屋でのんびり休んでいるとスマホが鳴り出した。誰からか確認するとなんとアツシさんからで慌てて電話にでる。
「あっ、藤澤くん急にごめんね。もしかして仕事中?」
「いえ、今日はもう仕事終わって家でのんびりしてました」
「じゃあちょうどいいや。今渋谷で飲んでるんだけど君もこない?」
「えっ?」
「う〜ん、そうじゃないな。君に来て欲しいんだけどダメかな?」
一瞬、前のキスが思い浮かんだが大先輩からのお誘いだ。しかもそこまで言われてしまっては断りにくい。
「…わかりました」
のんびりしてるって言っちゃったしな。そう心の中で言い訳しながら了承する。
待ち合わせ場所と時間を伝えられて電話は切られた。
部屋着から着替える。化粧は…まぁプライベートだしいいか、ととりあえず眉毛だけ描いて慌てて家を飛び出した。
呼び出されたバーに入り中を見回すと気づいたアツシさんが手を上げて呼んでくれる。
「急にごめんね。来てくれてありがとう」
「いえ、俺の方こそ誘っていただいてありがとうございます」
そう言ってペコリと頭を下げるとくすくすと笑う声が聞こえた。
「ホントにかわいいねぇ。そう言われない?」
「まぁ、ファンからもかっこいいじゃなくてかわいいって言われる方が多いですね」
容姿やそういうキャラ作りももちろんあるが自分ではよくわからない行動や雰囲気がかわいいとよく言われる。
「なにか不満なの?」
「いや、まぁ俺も男なんでせっかくならかわいいよりかっこいいって言われたいですよねぇ。でも今みたいな格好する前から全然かっこいいとは言われなかったからもう割り切ってますけど」
身長だってけっこう高いのに、とブツブツつぶやいているとアツシさんは今度は声をたてて笑う。
「いや、でもホント藤澤くんって顔もかわいいけど反応とかしぐさがかわいいんだよね」
「いえ、そんな…」
目の前でかわいいとストレートに褒められてちょっと熱くなった顔にアツシさんの手が添えられてビクッと反応してしまう。
「ほら、かわいい」
そう言ってスッと手を離しクスクスと笑われ、からかわれていたのかと今度こそ顔が真っ赤になってしまった。
「からかわないでくださいよ」
「ごめんごめん。でもファンはみんなそんな君の事が大好きなんだろ、いいじゃないか」
「まぁ、ありがたい事ですけどね」
ちょっと視線をそらせながらそう答える。
「そうだ、お酒何飲む?お酒強いんだろ?」
「確かに強いですけど、とりあえず軽めでお願いします」
「もしかして警戒されてる?」
パッと前のキスを思い出す。
「…それもありますけど、最近ちょっと酔ってやらかしちゃったばっかりなんで、今はお酒控えてるんです」
正直に答える。なんとなくアツシさんにはごまかさなくてもいいような気がした。
「酔ってやらかしちゃったのかぁ、何したの?」
「それはさすがに秘密です」
まぁいいや、とバーテンにお酒を注文するとそこからとりとめもない話で盛り上がる。
涼ちゃんアツシさんに誘われて飲みに来ちゃいました。これはもちろん口説かれる流れですよね。w
コメント
9件
涼ちゃん、そなたは美しい( '-' ) もっくん、アツシさんに涼ちゃん取られちゃうよー( ߹ㅁ߹)
アーツーシー! スマート過ぎてもう、色気が凄い!アツシさんに惚れそう✨ 二人の攻防にドキドキしますねぇ〜(*´艸`*)
はぁはぁ…緊張する😂