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「パパはなんでいじめられたの?」 「名前をからかわれたのがきっかけだったと思う。僕も自分の凡二という名前は嫌いだった。平凡でも幸せになってほしいというのが親の願いだったのは分かる。でもこの名前のせいで僕は平凡じゃない生き方を求めるようになった」
「平凡じゃない生き方を求めるって、パパは今ただのサラリーマンだよね」
「平凡じゃない生き方をするには才能が必要だ。僕にはその才能がなかったということだね」
ぶおん!
「そんなふうにネガティブなことばかり言ってるからいじめられたんじゃないの?」
「そうかもしれない。君が生まれたとき君を守るためならどんな悪党にでもなってやると誓ったのに、僕は何歳になっても逃げ回るだけの弱虫でしかないようだ」
「悪党になりたいのか?」
「正直言うとね、いじめられて惨めに生きるくらいならみんなから恐れられるような悪党になりたいと思っていた。僕には無理だったけど、僕の子として生まれた君にはそんなふうに生きてほしいという願いを込めて、君に音露という名前をつけたんだ」
ぶんぶん!
「音露には悪党という意味があるの?」
「ネロは古代ローマ帝国の皇帝の名前さ。部下を大勢殺して暴君と呼ばれているが、実は国民のためになることもたくさんした名君なんだ」
暴君と呼ばれながら実は名君? まるで余のことのようだ。皇帝ネロか。あとで詳しく調べてみよう――
ぶんぶん! ぶおん! ぱらりらぱらりら!
「親子の大事な会話をしてるのに、なんて迷惑な!」
単車が何台かわが家の前に集まって空ぶかししているようだ。横浜の真ん中で騒いでいるのだから横浜デビルのメンバーだろう。誰か確かめて、あとでシメてやらないといけないな。
と思ったけど、余が行くより早く僕が注意してくると言ってパパが玄関に向かっていった。