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わが家は道路の突き当たりにあり、玄関ドアを開ければいつもなら道路のずっと先まで見渡せる。でもそのとき無数のバイクが道路を埋め尽くしているのを見て、パパは玄関ドアを開けるなり絶句した。 三人の男たちが近づいてきて、余とパパの前でヘルメットを脱いだ。三人とも知らない男だ。みな背が高く、髪を赤だの金色に染めて、しかも性格悪そうな笑みを浮かべている。三人ともヤンキーなのは間違いない。
「この家のご主人ですか? おれたちは森音露さんに用があって来させてもらいました」
「娘に何の用だ?」
「お父さんでしたか。娘さん、横浜を統一しただけでは飽き足らず、東京まで攻め込んできましてね。調子に乗りすぎだからちょっと懲らしめてやろうと思ったわけですよ」
話しかけてきた男は余裕ぶってタバコまで吸い出した。
「今娘はいない」
「娘はいないって、あんたの隣にいるドレスを着た女は誰なんです? 聞いてますよ。あんたの娘さん、この辺のヤンキーに〈ゴスロリを着た悪魔〉と呼ばれて恐れられてるんでしょ? それも今日までですけどね。おれたちの恐ろしさを十分に味わってもらった上で今日で引退してもらいますから」
「娘に手を出すな」
「うるせえ!」
別の男がパパの顔面を殴打して、パパの体は地面に転がされた。でもすぐ立ち上がり、パパは自分を殴った男にしがみついた。