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——二日後。
十二月二十二日。——朝から雪が降っていた。
prっつはmz太の枕元にいた。——この数日間、ほとんど離れなかった。学校には一度も行っていない。——そんなこと、どうでもよかった。
mz太が薄く目を開けた。——黄色の瞳がぼんやりと天井を映す。焦点が合うまで、少し時間がかかった。——体を起こす力も、もうほとんど残っていない。
prっつ「……起きたか。」
枕元の椅子から身を乗り出した。——声は優しい。目元には隠しきれない疲労。——でも笑っている。
prっつ「……雪、降っとるで。——見えるか?」
mz太「ほんとだ…綺麗……。」
prっつ「……せやな。」
窓の結露の隙間から、白い雪がちらちらと見えた。——mz太は横たわったまま、その景色をぼんやり眺めている。
咳が一つ。——小さいけれど、乾いた音。
prっつ「……水、飲むか?」
返事を待たずにペットボトルに手を伸ばした。——もう慣れている、この数日のルーティン。体温を測って、水を飲ませて、汗を拭いて。——看病なんて大層なものじゃない。ただ傍にいるだけだ。
mz太「ん……ぁりがと、」
水を少しだけ口に含んだ。——こぼれた雫をprっつが親指で拭った。
雪は音もなく降り続けている。——部屋の中は暖かい。——でもmz太の体温は少しずつ下がっていく。
prっつ「……なぁ。」
mz太「……ん、?」
prっつ「……好きやで。」
——言った。
ついに。——ずっと喉の奥に押し込めていた言葉が、するりと落ちてきた。震えてもいない。迷いもない。——ただ、まっすぐに。
prっつ「……ずっと言いたかった。——お前のこと、好きや。」
「………そっか。………pーのすけ、——好きだよ、俺も。」
——時間が止まった気がした。
prっつ「——。」
目が大きく見開かれた。——知っていたわけじゃない。「俺も」なんて返ってくるとは思っていなかった。——だって、mz太には時間が——
prっつ「……お前、……え?」
声が裏返った。——頬を涙が伝った。——笑っているのか泣いているのか、自分でもわからない顔をしていた。
prっつ「……ずるいわ、お前……。なんで今……こんな時に……。」
ぐしゃっと顔が歪んだ。——堪えていたものが全部溢れた。
mz太「…ごめん……笑。」
mz太も、目に涙を浮かべていた。 でも、ふわりと笑い続ける。
mz太「……良かった、伝えれて。…ぷーのすけも同じで。」
弱い力で、けれどしっかりと、prっつの手を握った。
prっつ「……謝んな、アホ。」
握り返した。——折れそうなほど細い指。それでも確かに、力があった。
prっつ「……同じに決まっとるやろ……ずっと……ずっと好きやったんやぞ……。」
涙声。——鼻をすすりながら、空いた手でmz太の前髪をそっと避けた。——あのヘアピンに触れる。——prっつが贈った、悪魔のヘアピン。
prっつ「……伝えてくれて、ありがとう。——俺も聞けてよかった。」
額を合わせる。——近い。——互いの吐息が混ざるほど。
雪の音だけが静かに降り積もる。——二人の影が一つに重なっていた。
mz太「…pーのすけ……… ——来世は、結ばれてくれる……?」
prっつ「——当たり前や。」
即答だった。——間髪入れず、迷いなく。
prっつ「……何回生まれ変わっても、絶対お前見つける。——逃がさんからな。」
握った手に力を込めた。——震えているのはprっつのほうだった。
mz太「うん…良かった……。——愛してる。」
愛してる。——その五文字が、雪の降る部屋に溶けた。
prっつ「——俺もや。愛しとる。」
唇が重なった。——触れるだけの、かすかなキス。——冷たい唇。消えそうな体温。——それでも確かに、ここにいる。
離れた時、mz太がふわりと笑った。——あの、全部を受け入れたような笑み。
——それから数時間後。午後三時。——mz太は静かに目を閉じた。
十二月二十二日。——雪の日。
——残り、三日だった。
病院に運ばれた。——延命措置が施された。——でもそれは、苦痛を引き延ばすだけのものだと、医者は言った。本人の意思で、治療は最小限に。——最後は家で、と。
夜。——mz太は自宅のベッドに横たわっていた。
prっつは傍を離れない。——もう、手を握ることもできない。——けれど傍にいた。それだけしかできなくても。
prっつ「……聞こえとるかわからんけど。——喋るな、寝とっていい。——俺、ここにおるから。ずっと。」
声は震えていなかった。——覚悟を決めた人間の静けさだった。
——雪はまだ降り続いている。窓ガラスを白く染めながら。
prっつ「……来世で結ばれるって約束したやろ。——ちゃんと覚えとけよ。」
微かに。——本当に微かに、mz太の口角が動いた気がした。
——十二月二十五日。クリスマス。
朝。——mz太が目を開けた。
prっつ「——っ、mz太……!」
椅子から身を乗り出した。——一晩中、枕に突っ伏して眠っていた。——顔には涙の跡が残っている。
窓の外は雪。——ホワイトクリスマスだ。
prっつ「……メリークリスマス、やな。……笑えるわ、ほんま。」
mz太「……ぅん…メリークリスマス……。」
もう、声を出す力も、mz太には殆ど残っていなかった。でも、それでも声を出して、確かに笑っている。
prっつ「……喋らんでええ。——無理すんな。」
そっとmz太の頬に手を当てた。——冷たい。昨日よりも。
prっつ「……今日は、ケーキ買うてきたから。——食えんでも、見るだけでええ。」
机の上には小さな箱。——二人分。
mz太「…ん……。」
箱を開けた。——小ぶりなショートケーキ。サンタの砂糖菓子が乗っている。
prっつ「……二人で分けよか。半分こ。」
フォークで小さく切って。——mz太に一欠片、食べさせようとした。——口元に運ぶ。
prっつ「……ほら。」
mz太「ん、……。」
一口。——ゆっくりと咀嚼して、飲み込んだ。
prっつ「……甘いか。」
聞かなくてもわかっていた。——mz太が笑っていたから。
mz太「…ぅん……。」
prっつ「……よかった。」
自分も一口。——同じ甘さ。——同じ時間。
ケーキを食べ終えて。——雪を見ながら。
——二人は並んだ。ベッドと椅子。——たったそれだけの距離。
prっつ「……なぁ。」
ぽつりと。
prっつ「……今、幸せか。」
mz太「——ぅん……。」
本当はもっと言いたいことがあった。でも、力が出なかった。
prっつ「……十分や。——伝わっとる。」
目を細めた。——笑っていた。——この数日で一番、綺麗な笑顔だったかもしれない。
prっつ「……俺も幸せや。——お前のおかげで。」
mz太「…ぅん……。」
雪が窓を叩く音。——それだけが時間の流れを教えてくれた。
午後。——mz太は再び目を閉じた。——今度は眠るだけだと、わかっている。——でもprっつの胸は、まだ痛む。
夕方。——目を覚ましたmz太に、prっつは話しかけ続けた。——他愛のない話。学校の先生のモノマネ。面白かった動画。——なんでもいい。声が聞こえていればいい。
prっつ「——でな、田中のやつがこけて——……聞いとる?」
薄く目を開けて、mz太が小さく頷いた。——それだけでprっつは続きを話せた。
——夜。
雪がやんだ。——雲の切れ間から月が覗いている。——白い光がmz太の顔を照らしていた。
呼吸が浅くなっている。——prっつにはわかった。
prっつ「……mz太。——起きれるか。」
mz太「…ん……。」
うっすらと目が開いた。——黄色い瞳が月明かりを映している。
prっつ「……月、見えるぞ。——綺麗や。」
カーテンを開けた。——冷気が少しだけ部屋に入り込む。——白銀の世界が広がっていた。月光が雪に反射して、部屋全体が青白く光っている。
mz太「………。」
月をジッと見つめた。綺麗だ、とでも言ってるように。
prっつ「……なぁ。——最後に、一個だけわがまま言ってええ?」
ベッドの縁に座った。——mz 太と同じ目線で月を見る。——肩が触れた。
prっつ「……一緒に寝てくれへん。——横で。」
布団の端に潜り込んだ。——狭い。——でも構わなかった。
mz太「…ん……、」
その一文字は、mz太にとっての何よりの肯定だった。
背中からそっと腕を回した。——壊れ物を抱くように。——mz太は驚くほど軽かった。
この数週間でどれだけ痩せたのか。
prっつ「……あったかいやん、お前。」
嘘だった。——冷たかった。 ——でもそう言いたかった。
月が雲に隠れかけて、また現れる。——繰り返し。
prっつ「……来世では、もっと一緒におれるかな。——大人になってから出会えたらええな。……そしたら、ちゃんと——」
mz太「……。」
返事がなかった。——呼吸の音も。——静かだった。
prっつ「……mz太?」
腕の中の体が、わずかに重くなった。——力のない、自然な重み。
prっつ「……おい。」
肩を揺すった。——小さく。起こさないくらいに。——反応がない。
prっつ「……mz——」
月明かりの中。——mz太は笑っていた。——穏やかに。苦しみのない、透明な微笑み。——眠っているだけのように見える。目を覚ましそうに見える。——でも。
prっつ「——……。」
声を殺した。——叫びたかった。——でもそうしなかった。——この顔を、壊したくなかったから。
prっつ「……おやすみ。——また会おうな。」
額にキスを落とした。——長く。——静かに。——雪だけが見ていた。二人きりの、最後の夜を。
——朝が来た。
十二月二十六日。——午前七時。
prっつの腕の中で、mz太はまだ目を覚まさない。——もう目を覚ますことはない。
雪は止んでいた。——世界は静かで、残酷なほど美しかった。
prっつ「…………。」
どれくらいそうしていたのか。——prっつはゆっくりとmz太をベッドに横たえ直した。——乱れた髪を整えて、ヘアピンの位置を直して。——最後に。
prっつ「——ありがとう。俺の親友で、恋人で。——最高の、人生やった。」
立ち上がった。——足がふらついた。——窓辺に歩いて、カーテンを大きく開ける。——朝日が差し込んで、mz太を金色に包んだ。
prっつ「……っ、……は、……約束、やからな……来世……絶対……。」
途切れ途切れの声。——拳を胸に押し当てて。
涙が床に落ちて、小さな染みを作った。——朝日は容赦なく昇っていく。新しい朝。——mz太のいない朝。
雪解けの光がmz太の顔を優しく撫でている。——まるで笑っているように見えた。——あの最後の笑顔のまま。
——最後の一ヶ月は終わった。
——ハッピーエンドかどうかは、まだわからない。
——でもきっと、これは——
next (後書き)♡ 7000 ⤴︎⤴︎
参考パクリ×
表紙イラスト保存⚪︎
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自作発言 禁止
無断使用
コメント
6件
ねえ もう 涙腺崩壊 不可避 だよ 😭😭😭 続き 待 っ てました ‼️ pr 彡 の 告白 シ ー ン ちょ ー 好き !!! 好きすぎて やばいです 🤦🏻♀️💖 (( 語彙力皆無 続き 待 っ てる !! 無理 しないでね
pr彡が告白するシーンめっちゃ好きです🫶🏻︎ ̖́- mz彡が来世での約束をしたのも泣けます😭 後書きすごく楽しみです✨
がちで忘れてて放置状態でしたごめんなさい 😿😿😿🙏🏻