テラーノベル
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ぎるくんがいいネタくれたからぁ…
書くっきゃないよねって話
kinと猫とぬいぐるみ
※レダー帰国後
キャラ崩壊注意
視点主→『』
その他→「」
最近、豪邸に猫が住み着いた
青い目をした綺麗な毛並みの猫
ロシアンブルーと言われる猫らしい
呼び名が無いと不便だとトピオさんが言ったのでロシアンブルーから取ってシアと名付けた
今日も豪邸前で座っているとシアが近付いてくる
「にゃぁ」
『駄目です。ご飯はあげませんよ』
「ンナァ…」
メンバーからご飯を貰うことが日常なのか、人を見かけるとご飯をねだってくることが多い
栄養を考えてあげないようにしていると貰えないことが分かったのか、耳を横に倒して不満げである
ご飯の代わりに撫でているとスマホが鳴る
中古車ディーラーの仕事の電話だ
愛車をガレージから呼び出すと当たり前かのようにシアが助手席に乗り込んでくる
『あ、そこは』
助手席には店長のぬいぐるみを座らせている
幸い落とさずに大人しく乗ってくれたので、少しの不安を抱えながら車を走らせる
恐らく降ろそうとしても暴れられるだけだろう
仕事が終わり、豪邸へ帰ろうと車の扉を開けると助手席にいたはずのシアと店長の姿が消えていた
周りを見渡すと店長を咥えて駐車場から走り去っていくシアの後ろ姿が見えた
慌てて追いかけるとまるで自分を待っていたかのように塀の上で座っているシアがいる
『シア、店長を返してください』
「…ナァ」
一言鳴くと塀に沿って何処かへ行ってしまう
この先はどこへ続いていたか
地図を頭に思い浮かべ、シアが辿り着きそうな場所へ走って行く
目的地付近で足を止めると、近くで鳴き声が聞こえる
「にゃおーん」
顔をあげると店長を咥えたシアがいた
捕まえようとしてもするりと逃げられてしまう
シアが逃げた先はフィズ裏の旧アジト
もう殆ど使わなくなった場所ではあるが、店長たちとよく出入りしていたのがつい先日のように思える
「にゃあ」
記憶を振り返っていると、鳴き声で現実に戻された
辺りを見渡すとまたシアが何処かへ行こうとしているところだった
『シア!』
呼びかけてみるもこちらをちらりと見ただけで止まろうとはしていない
今度こそ捕まえようと近寄っても素早い動きで逃げてしまう
この後も捕まえようとしては逃げられてイタチごっこの繰り返し
しかし、不思議な事にシアが逃げた先は全て私にとって馴染み深い物件だった
ゲーセンアジトやボロアパートなど様々な場所に連れてこられた
追いかけっこを続けて数十分
突然シアの動きが止まった
咥えていた店長を離し、塀の上にちょこんと座り込んだ
『流石に疲れましたか』
「にゃー」
シアが最終的に立ち止まったのはレギオンの塀の上
よく店長とホットドッグを売っていた場所だ
これまで大事そうに咥えていた店長を取っても何も動かない
動くのに疲れたのか飽きたのかそれとも…
『あなたはここに連れてきたかったんですか』
「…」
何も言わない
シアと自分の間に店長を座らせてみるも、既に興味を失ったのか見向きもしない
静かに体を丸めて寝る体勢をとっていた
自分も懐からレモネードを取り出す
シュワシュワとしたレモンの爽やかな味わいは美味しいのだと思う
『店長、貴方は今何をしているのでしょうね』
ケイン。
『…!』
ぬいぐるみに視線を移しても何もなく、いつも通りに座っているだけ
あの声は、気のせいだったのか
隣で優雅に寝ているシアに目をやる
日の光を浴びながら寝ている姿は気持ちよさそうだ
『手紙書きますか』
「にゃー」
忙しくも自由に空を羽ばたいている貴方に向けて
シアの鳴き声が一番悩んだ
マジでありがとうぎるくん
コメント
2件
良い…!! grrと仲良しなネコチャンpostに癒されてたトコロに良作品ありがとう✨️