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泥棒を拘束した数分後、アリスは俺と爺さんを連れて店に招き、お茶を入れてくれた
アリス「こっちこっち!」
アリスを先導に俺たちは八百屋に向かって歩き始めた
リザ「あらあら、お金を取り返してくれた方々ね、私はアリスの母親のリズ。ありがとうねぇ、お茶が入ったから飲んでいって」
悠「ありがとうございます。頂きます。」
トラス「おおぉ、あなたたちが泥棒を捕まえてくれたのか、本当にありがとう」
コロウ「わしは何もしておらんよ。全部こやつがやったことじゃ」
古びた階段を下りてきたのは、アリスの父親のトラスだった。この夫婦でこの八百屋を経営しているのだろう。
悠「なぁ爺さん、さっき貰った金、ここで使ってもいいか?」
コロウ「ん?まぁ構わんが」
悠「すみません、この果実はなんという名前なんですか?」
俺はかごのりんごのような赤い果実を指さした。
リザ「あぁ、これはフレの実よ。甘くてとっても美味しいの。というか、あなた変わってるわねぇこの世界でフレの実を知らないエルフなんてあなたぐらいよぉ」
悠「あぁぁ、いや、最近頭を打ってしまって、少しまだ混乱しているんです」
トラス「そうなのか、大変だったな。うちでよければゆっくりしていくといい」
悠「あぁ、良いんです。お気遣い感謝します。」
悠「じゃあリザさん、この実買います。」
リザ「50ポカになります」
悠「100ポカで」
コロウ「すまんな、そろそろ失礼させてもらうぞ」
トラス「…そうかそうか、残念だなぁ、じゃあまたおいで」
アリス「また遊びにきてね!」
俺たちは手を振るアリスに挨拶し、フレの実を持って八百屋を後にした。
悠「あ、あれ」
俺は歩いていくと、頭がぐらっと揺れ、跪いた。
悠「この感覚…まさか…」
コロウ「やっと気が付いたか、遅いわこのたわけ」
悠「睡眠薬…」
あの家族はお茶に睡眠薬を混ぜていた…しかしなぜそんなことを…
コロウ「まだわからんのか、この世界のエルフは人間を食べる。それがこの世界の常識なんじゃ。」
コロウ「わしがおらんければ、お前さん今頃あの家族に三枚におろされてたぞ」
悠「じゃあ、誘拐された子供たちは…もう…」
コロウ「とっくに貴族に喰われとるじゃろうな」
雪は…無事だろうか…不安は増すばかりだ
悠「あんたもエルフなんだろ?、なんで人間の俺をかくまってくれるんだよ」
コロウ「昔の友人のようになってほしくないからだ。」
悠「友人?何の話だ」
コロウ「いずれ話すさ、今は買い物を済ませてさっさと戻ろう」