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数字が表示された瞬間。
世界から音が消えた。
揺れも。
警報も。
風の音さえも。
全てが止まる。
まるで世界そのものが息を止めたみたいだった。
🦈「……」
こさめは空を見上げる。
赤かった空が変わっていた。
青い。
どこまでも青い光。
それが空全体を覆っている。
そして。
その中心。
遥か上空。
巨大な光が浮かんでいた。
あまりにも大きい。
都市も。
山も。
海も。
全部包み込めるほど。
未来「未来……」
未来の少女が呟く。
すると。
上空の光が反応した。
優しく。
懐かしそうに。
まるで返事をするように。
ドクン。
巨大な鼓動。
世界が震える。
『認証確認』
突然。
空から声が降ってきた。
男でもない。
女でもない。
子供でもない。
大人でもない。
聞いた瞬間に涙が出そうになる声。
『未来管理者認証完了』
こさめの胸が熱くなる。
『帰還手続きを開始します』
その言葉に。
13
2,238
翠玲
2,128
未来の少女が青ざめた。
未来「だめ!」
全員が振り返る。
未来は首を振る。
泣きそうな顔で。
未来「帰っちゃだめ!」
光が揺れる。
『理由を確認』
未来「嫌だ!」
未来が叫ぶ。
未来「もう一人は嫌!」
静寂。
こさめは息を呑んだ。
未来はずっと怖かったのだ。
三千年前。
家族を失った。
約束を破られた。
置いていかれた。
だから。
また失うのが怖い。
『未来管理者帰還処理を継続』
無機質な声が響く。
未来が泣き出した。
未来「やだ!」
🦈「未来」
こさめが呼ぶ。
未来「やだ!」
🦈「未来」
未来「また消える!」
涙が止まらない。
未来「約束したのに!」
胸が痛む。
三千年前。
守れなかった約束。
その時。
上空の光がさらに強く輝いた。
そして。
空中に巨大な扉が現れる。
白い扉。
その先は見えない。
だが。
全員分かっていた。
あそこへ行けば。
未来管理者としての役目が終わる。
世界は救われるかもしれない。
でも。
こさめは戻れないかもしれない。
三千年前と同じだ。
🍵「……」
すちの拳が震えていた。
らんも笑っていない。
なつも。
先生も。
誰も何も言えない。
選ぶのは。
こさめだから。
その時。
いるまが前へ出た。
全員が驚く。
🌸「いるま?」
いるまは空を見上げる。
巨大な光。
巨大な未来。
そして。
静かに言った。
📢「なあ」
返事はない。
だが。
光は聞いている。
📢「俺は昔」
目を閉じる。
📢「未来を消そうとした」
誰も止めない。
📢「間違えた」
静かな声。
📢「すげえ間違えた」
苦笑する。
📢「だから今度はちゃんと考える」
そして。
空へ向かって叫んだ。
📢「お前も間違えてるぞ!!」
全員が固まった。
なんと。
未来そのものに怒鳴った。
🍍「いるま!?」
なつが叫ぶ。
しかしいるまは止まらない。
📢「未来管理者帰還だ?」
吐き捨てるように言う。
📢「そんなのただの昔の仕組みだろ!」
光が揺れる。
初めて反応した。
📢「三千年前なら正しかったかもしれねえ!」
いるまは拳を握る。
📢「でも今は違う!」
静寂。
📢「未来は変わるためにあるんじゃねえのかよ!」
その言葉。
未来の少女が目を見開く。
らんも。
すちも。
過去も。
誰も言えなかった言葉だった。
『……』
巨大な光が揺れる。
まるで考えているみたいに。
そして。
その時だった。
未来の少女がこさめの手を握った。
小さな手。
暖かい手。
未来「こさめ」
涙で濡れた顔。
でも。
今度は逃げるような顔じゃない。
未来「約束」
震える声。
未来「今度は守って」
静寂。
こさめはその手を握り返した。
三千年前。
守れなかった約束。
今度こそ。
🦈「うん」
優しく笑う。
🦈「守る」
その瞬間。
空の光が大きく脈打った。
まるで。
何かが変わったように。
そして。
世界中に響く声で。
未来は初めて問いかけた。
『新たな未来を選択しますか』
その言葉に。
誰もが息を呑んだ。
三千年前には存在しなかった選択肢。
未来そのものが。
変わろうとしていた。