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★ ★ ★



昔々、ダプカという小さな国に幼い女の子がいました。


女の子はある日の夜、突然ベッドから飛び起き、家から飛び出ていきました。


それは無意識の行動でした。


ダプカは他の国よりも小さいものの、その女の子にとってはとても果てしなく広く感じられました。


女の子は真っ暗闇の草原をただひたすら家を探しながら歩いていました。


それでも家は見つからず、月明かりさえなく、女の子はだんだんと不安を抱えていきました。


このままだと、家に帰れず死んでしまうのではないか。


もう一生家族に会えないのではないか、と。


すると、遠くの方から1つの小さな光が見えました。


女の子はその光の方へと走っていきました。


この真っ暗闇から逃げたかったからです。


光に近づけば近づくほどに、不思議と女の子の不安は消えていきました。


光があったのは、女の子の良く知っているダプカイ湖でした。


女の子は1人でもダプカイ湖からなら家に帰れるような気がしました。


真っ暗闇の方を見つめ、意を決しました。


しかし何かが、女の子の後ろから


「まだそっちへは言ったらダメだ。危ないからもう少しここにいるといい。」という声が聞こえてきました。


「今夜は星の子が降りてくる。星たちの魔法がかかってしまうから、まだここにいるといい。」


声は女の子を引き留めました。


女の子が声のする後ろを振り返れば、金魚が1匹湖の水面近くにいるだけ。


女の子は誰が喋っていたのかわからず、首を傾げました。


「もうすぐ、闇が消えて月明かりで周りがよく見えるようになるから、まっていよう。」


そう言ったのは、確かに湖の中にいる金魚でした。


女の子の目にはそれ以外に喋ったものなど映っていません。


少し動揺したものの、女の子は不思議と怖くなったりすることはありませんでした。


それよりも、そこで喋っている金魚を信用する気持ちばかりが溢れていきました。


しばらくすると闇は消え、金魚の言った通りに月明かりが周りを照らしました。


女の子は安心し、金魚にお礼を言おうとしたものの、金魚はもう水面にはいませんでした。


しかたなく、女の子はそのまま家に帰りました。


次の日、女の子は金魚に会いに行きました。


水面では昨日見た金魚が元気に泳いでいました。


「金魚さん、昨日はありがとう。おかげでちゃんと帰れたよ。」


しかし金魚は見向きもしませんでした。


まるで言葉がわからないように。


「金魚さん、どうして昨日みたいにおしゃべりしないの?」


金魚はまたもや無反応。


女の子はしかたなく、そのまま家に帰りました。


それからも、金魚が話をすることはなく、女の子がその話をすれば笑われるだけでした。


しかし、この世にはもう1人この金魚と話ができる人がいると言われています。



★ ★ ★



そんな話をカトは旅の途中で聞いていたのだ。


金魚と話せる人が自分だとは思わなかったカトは何とも言えない複雑な気持ちを抱え、細道を進んで行った。


しばらく進んで行くと、「スパネイ」と書かれた看板が立ててあった。


看板は随分と汚れ、ボロボロに壊れていた。


看板の雰囲気からしても、この道を通る人が少ないことがわかる。


左右に割れた道の右を行き、カトは少し盗賊のことを気にかけながらも、スパネイの土地へと足を踏み入れた。

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