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この物語はフィクションです。
自決行為、暴力、レ〇プ、性的描写が多々含まれます。
最近学校で、このあたりに吸血鬼が現れるという都市伝説があった。
中には、吸血鬼の姿をこの目で見たという人もいる。
まぁ…今の俺には関係ないことだ。
ーーーーーーーーーー
午前1時。
下を見れば、数メートル先に海だ。
ky「…やっと」
ky「楽になれる」
楽しかった日なんてない。
毎日、親に勉強を勧められ…否定すれば暴力をふられる。
友達なんてできたことなく、もちろん恋人なんていない。
サンダルを脱ぎ、赤い橋を飛び越える。
ky(…さようなら)
黄色い満月が、明るく光っている。
ky(来世では、楽しい日々を過ごせますように)
寒くて寒くて、体がふるえる。
足の感覚がなくなっていく…
目をぎゅっと瞑り、赤い橋から手を離した。
ky「っ…」
ーーーーーーーーーー
ky「…?」
手を離したはずなのに、なぜか落ちる感覚がまったく感じない。
気温の寒さのせいで、体が麻痺しているのだろうか?
そっと目を開ける。
ky「え…」
ky「あれ?」
目の前には、赤い橋と海。
数秒前と同じ光景だ。
ky「ま、まぁいいや…それなら…」
幻覚でも見たのかと思い、俺はまた橋を飛び越えようとした。
ky「うわっ!?」
尻もちをついてしまった。
誰かに横から蹴られたようだ。
ky「うぅ…」
そのときだった。
月が赤く光ったとき、そいつが現れた。
?「君、さっきから何してんの?」
目の前には、茶髪でショート髪の男性がいた。
ky「あ…」
ky「えっと」
ky(やばい、警察呼ばれるかも)
瞳孔が縦に細長く伸びて、八重歯が目立つ。
?「死のうとしていたの?」
?「そこから飛び降りたって、簡単には死ねないよ」
?「…あ、そうだ」
彼は、ゆっくりと俺に近づく。
?「どうせ死ぬなら、飲ませてよ」
?「君の血…匂うだけでゾクゾクする…♡」
黒い瞳が真っ赤に染まる。
首元に違和感を感じると、長い八重歯で首を刺される。
ky(え…な、なに)
ky(なんだ…この感触)
ky(暑くて、いい香水の香りがする…)
ky(それに…なんか)
そのとき、学校で流行っている都市伝説を思い出した。
夜中…弱っている人間を見つけ、尖った八重歯で首を噛む。
“吸血鬼”が現れる…と。
ky「はぁ…はぁ…」
ky「あ…や、やめ…て」
ky(やばい)
ky(…おかしくなりそう)
?「…ぷはっ」
?「ふふ、美味しい」
頭が冷たくなり、耳鳴りが続く。
ky「はぁ…はぁ…」
?「もっと飲みたいけど、これ以上飲んだら倒れちゃうしね」
まだ頭がクラクラする。
彼の足元が、俺の目線に入った。
?「ねぇ」
?「なんで死のうとしていたの?」
ky「…え」
?「教えてよ」
?「学校にも、警察にも言わないからさ」
ky「…い」
ky「生きてても…楽しくないから」
?「ふ〜ん」
?「な〜んだ…つまんないの」
?に力強く首を掴まれる。
ky「ゔぁあ!? な、なん…で…!?」
?「君に逃げられて警察に訴えられたら、いろいろとめんどくさい事になるからね」
?「最近、ここらじゃ|俺たちの噂で持ち切りだからさぁ」
?「次下手なことしてバレたらまずいし…目撃者は消しとこうと思って」
どんどん力が強くなっていく。
明らかに人間ではない強い力が、俺の喉を締め付けてくる。
ky「た、助け…て」
ky「誰か…」
意識が遠くなっていく。
?「ふふ…いい顔」
?「…あ!そうだ!」
?「ねぇ、人間さん」
?「どうせ死ぬならさぁ」
?「君の全部、俺たちにちょうだい?」
ニコッと微笑む笑顔を最後に、俺は意識を失った。