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“私は勇者ではない。だが、凡人でもない。”
私は、この小説の世界に憑依した本好きな少女、15歳。いつも学校に行っては一軍女子にいじめられ、親からも暴力を振るわれて、生きる希望を失い自殺した。
なんだかふんわりとした感覚に目を覚ますと、真っ白な天井が。私はベッドで眠っていたようで、隣をみると椅子に座った少年が、今にも泣き出しそうな目で こちらを見ていた。
「おきた、?」
少し震える声で私に話しかける様子を見るに、心配性なのだろう。
「うん」
私の憑依したキャラがどんな子なのかは全く知らない。つまり私は自分の容姿や元々の性格はおろか、名前やさえ知りやしないのだ。
これからのことを考えながら、目の前の少年との関係を探っている。私の右手に指輪はない。婚約者ではないようだ。それにこのロングヘアの色は真っ白だが、目の前の少年は綺麗な金髪をしている。だからといって家族でないとは言い切れないが、少なくとも血の繋がりはなさそうだ。
(とりあえずただの友達として考えるのがいいだろう)
と考え、少年の名前を探ってみることにした。が、その答えは案外すぐに出た。少年の腰にあった剣には、「アラク・フォーカス」と名前らしき文字が彫ってあった。
(プライバシーのかけらもない、)
名前がわかったのはいいんだが、そこだけが気になった午後2時半。