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はぁ…はぁ
静かな和室に吐息が混じり合う。
『待っ…てッ!今日はなんか…やばいんだよ…。』
『今更止まれったって遅ぇぜ花京院…。』
『待ってッ!待ってッ!あっ…』
承太郎の腰は止まる気配がない。
『あっ……ん!!』
あわてて口を塞いだ。が、その手はすぐに退かされる。
『こ、声が出ちゃうんだよッ!今この家にいるのは僕達だけじゃッー』
『んあっ……あ”ッ!…はっあッ…!♡』
『ほら。どうした?我慢してみな』
振る腰はどんどん激しくなってゆく。涙目になりながらも声を出さまいと我慢する。
『花京院…すげえ締まるぜッ…』
彼の口角が少し上がった。止まる気配のない事がわかる。
『待っへッ…ねぇ………ぃぐッっ…』
漏れ出す言葉を被せるように僕にキスをした。
離れたがる僕の腰を星の白金の手が抑え込む。
彼の手は僕の手を繋ぎ、がっちりしてびくりともしない。
『ぃっちゃうかやぁ!…んぁ……!』
身体の痛みなんぞ気にならない。
また涙と震えが止まらない。
このあとも、僕の身体に負担がかからない限度を考えた上で、行為は続いた。
『花京院。大丈夫か?風呂行こうぜ』
『んん…?もうこんな時間か。大丈夫だよ
行こうか。』
甘やかな承太郎の声に溺れそうになりながら、僕らは部屋を後にした。
承太郎の家の風呂は広くて、なんだかタダで温泉気分な感じがして胸が踊る。彼と共に湯船に浸かった。
『あ″〜〜〜!傷が染みる…!!でも気持ちいいな 』
ふっと承太郎が微笑んだ。少し恥ずかしい。
『……ん!?』
承太郎が急に僕の腹を撫でた
『ちょっと!急に触られるとびっくりするじゃあないか!!』
『・・・・』
無言で伏し目になり、僕の腹の傷を撫でる承太郎。水が滴る長いまつ毛に、整った容姿に僕は改めてドキッとした。
『承太郎…?』
どうして君はそんな寂しげな顔をするんだよ。これは名誉の負傷だ。
『そんな顔するんじゃあない。僕は生きている。』
『君のおかげでね。』
承太郎は、はっとして僕を見た。
『…俺は時々夢を見る。お前が死ぬ夢だ。
DIOを倒した感覚は今でもこの拳に残ってる。けどお前が腹に穴を開けられた時の記憶が脳にこびりついてやがる。朝起きてお前と顔を合わせて学校へ行くのが信じられないくらいだ。』
『確かに僕はあそこで死ぬ運命だったでしょう。でも、君はDIOを倒した。意識朦朧とした僕だったけど、生きたいって思えたんだ。
初めて心を通じ合えた仲間と、君と。自分のためにも生きたいと思えた。安心してくれ。忘れられない嫌な記憶は、僕と楽しい思い出で上書きすればいい。これからも、僕と生きてくれ。承太郎。』
承太郎の気持ちが痛いほど汲み取れた僕は、今にも涙がこぼれそうだったけど、誤魔化した。
彼の頬を優しく撫でる。
『って、なんだかプロポーズみたいだ!恥ずかしいな笑 君も何か言って下さいよ…!さ、のぼせる前に出まー』
勝手に口走る唇に、承太郎はキスをした。
『俺はお前を愛している。』
暖かく、優しげな君の顔には、水滴か涙か分からないけれど、雫がこぼれていた。僕を見つめる真っ直ぐな瞳は、潤んでいた気がした。