私は小河真。呪詛師だ。でも、「上層部」の人間しか殺さない主義だし、何も悪いことしていない人間を騙したり呪ったりして小遣い稼ぎをするなんてこともしない。別にお金が欲しいわけでもないし、普通の道徳観念ぐらい持ってるからだ。親は小さいころ上層部に逆らって殺された。その時私だけ生き残った。きっと情がある誰かが助けてくれたんだろうと思うけど、余計なお世話だとも思う。私なんか生きてたって復讐しかやることはないし、生きるだけで金がかかる。ついでに私はもう人殺しをして汚れ切っている。きっと呪術界では死刑対象だし、私は上層部を殺せるぐらい強い自負はあるからきっと上は特級術師雇って私を殺そうとしているだろう。まあ、残穢は消してるし、呪いで殺さず磨き上げた体術ととある術式だけを使っているから呪力で後を追われる心配は最小限にしているが。そんな私を見つけたとすれば相当だろ。もし五条悟とかが私を嗅ぎつけた仕舞いには死亡確定かなあ。とうっすら考えていた。
私の唯一の生きがいは「音楽」だ。私がいつ死んでも誰にも迷惑かけないようにバンドは組まないことにしてる。アコースティックギター一本で小さいライブハウスで夜な夜な音楽を嗜んでいる。生きてる心地がするし、歌うときだけ心のうちを出せる。
私の術式を紹介する。私の術式は負のエネルギーを掛け合わせて正のエネルギーを生み出す術式。正直それだけ。だが、結構すごいこと。身体中に薄く正の呪力を巡らせれば、相手から攻撃された負の呪力を打ち消して効果を消せるし、対呪霊には相性抜群。特級呪霊も正のエネルギーでやられる前にやってしまえる。人間相手はダメダメなので絶賛体術鍛えて上層部のじいちゃん共は殺せるようになった。
高専には行かなかった。親から呪術界のことは必要最低限教わってきたが、入学するつてもお金もない。そうしているうちに呪詛師になった。後悔はしていない。
と
思っていたのだが…
今日のライブも楽しみ。良い曲描けたしファンにお披露目だ。
「クンクン…ここ、っぽいね。小河真」
みんな今日も来てくれてありがとう!
「呪術師が音楽家ねぇーちょーレアじゃん」
私と同じ、ひとりぼっちのみんなへ向けた歌です
「ひとりぼっちか」
「この声、1/fゆらぎって言われる声の周波数だ。ツーっ…(一粒の涙が頬を伝った)
は?まじか。この僕が曲で泣くとか」
みんなありがとう。でも、もしかしたら今日で最後みたい。今までありがとう!
楽屋へ戻って腹を括る。
コンコン 「やあ」
やっぱりか。五条悟だ。馬鹿みたいな雰囲気と呪力出してるやついるしここまでか〜あと3人ぐらい上層部殺しておけばよかった
ノックは3回が常識だろトイレじゃねえっつの
「あは!めんごめんご〜っていうかずいぶんと殺気立ってるね〜笑」
あんたが来ちゃったからね。やるならさっさとして。
「え?なんのこと?」
は?上層部から私を殺せって言われたんじゃないの?
「言われたよ?」
は?話噛み合わないんだけど人間?
「察しが悪い君が悪いよ〜僕は君を殺さないってこと」
なぜ?
「だって君、別に呪詛師じゃないし」
いや、上層部殺したけど5人ぐらい
「でも、一般人に手を出したりしていない。その感じ実は良い子だしね〜」
揶揄ってんなら無視するぞ
「褒めてんの♡しかも君、強いし最高に良い術式持ってるじゃない!」
あざす。
「ってことで君は明日から呪術高専の教師ね!」
は?
「?♡」
は?
「聞こえなかった?」
聞こえてるよ怒 まじでなんの冗談?呪術高専とかもろに上層部の下じゃんふざけてんの?
「正直僕も立場が違ってたら上層部の人間皆殺しにしてたよ。君と僕と、掲げる理想は同じだ。協力しよう」
でも私呪術界で指名手配になってるんじゃ?
「それはないね。おじいちゃんたちは無能で君は有能だった。僕以外現場の状況から君を特定できる人間はいないよ」
「今呪術会はとんでもないことになっててねえ。呪詛師が特級相当の呪霊とタッグを組んで何かやばいこと企んでるんだよ。」
へー
「興味持ってよ〜。罪のない人間が死ぬの、君嫌いでしょ?それを無くしたいから上層部は殺すけど一般人や他の呪術師は殺さない」
そんな良いやつじゃないって私。先生って柄じゃない。
「いやあ僕も先生って柄じゃないんだけどなんやかんや楽しいよ?」
私教えることないし、強くないよ
「君は呪力の使い方が上手い。ちょうど今術式なしで呪力だけで戦わなきゃいけない生徒がいてね〜ちょうど良いのよ。目標のために、どう?三食ご飯付バイトしなくて良いし音楽も続けていい!好きなことしてればいいし僕の下に付けば君を守ってあげられる」
そんな美味しい話ある?
「あるよ!君が呪術高専で働いてくれればね」
わかった。その話飲む。
「そうこなくちゃ!じゃ今から高専行こうか」
は?なんか、そんなぬるっと行っていいの?
「うん。学長にはもう話通してあるし」
私が断ってたらどうすんのよ…
「別に?そんときはそん時だろ」
はあ…