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ゆりなの視線は、ゆあではなく「青澄」に向いている。
しかし青澄はゆりなに全く興味がない。
いつもゆあを気にしているから。
だから矛先が変わる。
ゆあ → ここなへ。
嫉妬の矢は一番静かな少女を狙う。
放課後、ここなが靴箱で靴を取り出すと、
中にはびっしりと嫌がらせのメモ。
【陰気で8き気する】
【ゆあ先輩にすがるだけの9ズ】
【◯えれば?】
ここなの指が震えた。
(どうしよう…また、わたしのせい…)
背後から笑い声が聞こえる。
「気づいたんだ? よかったね、反応してくれて。」
ゆりなが壁にもたれ、スマホを構えていた。
カシャ。
「やめ…っ」
「やめろって言った? ふふ、かわい。」
ゆりなの笑い声で、ここなの呼吸は急に速くなる。
(息…できない…)
ゆあが駆けつけたとき、
ここなは壁に手をつき、必死に息を探していた。
「ここな! 落ち着いて、ゆっくり…!」
その姿を見たゆりなは鼻で笑う。
「うわ、ほんとに弱いんだ。」
その声で、ここなの世界がまた一段暗く沈んだ。