「mtkさんッ!mtkさん!!」
mtkさんの家のドアを叩きながら叫ぶ。
「早くッ!…早く…」
ガチャ
「あっ」
「わっ!?」
「え?ryok…?」
目をぱっちり開け、びっくりしている。
「どうしたの!?」
「泣いてるよ…?」
「えっ…」
僕は泣いていたっぽい。
気付かなかった。
「と、とりあえず入って」
mtkさんについて行き、ソファに座った。
「どうしたの?こんな夜中に…」
「うっ…泣」
「グスンッ…」
怖くて怖くて喋れない。
「深呼吸して」
「スゥ~ はァ~」
「スゥ~ はァ〜、」
呼吸を整えようやく喋る事が出来た。
「学校帰りおじさんに絡まれてお酒飲んでました、…」
「それでラブホに…」
「マジかよ」
「え、じゃ、じゃあ…」
「あ、いえ、そこまでは一応やってないんですけど…」
「良かった…」
mtkさんは一安心して言う。
「ryok、流れに頼って行為するのは駄目だよ?」
「ちゃんと断らなきゃ」
「うん…分かってる」
「わかってるんだけど…」
するとmtkさんが呟いた。
「そもそも一人で夜中帰るのが良くないな…」
そうだ、夜中歩くのがまず駄目なんだ。
僕もそう思った。
「mtkさん、お願いがあるんです」
「?」
「mtkさんの家に住みたいです」
「え…でも親にはなんて」
「いいです」
「お母さんなんて…」
「いやいや、僕が困るからっ!」
「お願いです!mtkさん」
「えぇ…」
無理かなぁ…。
やっぱ無理矢理お願いしてしまったな…
「駄目…ですよね…」
「良いよ」
「えっ」
「泣…」
思わず涙が出てしまう。
「やった…泣」
「ただし!」
「?」
「まず許可が必要だね」
「許可…?」
プルルルル…プルルルル…
カチッ
「お、お母さん…」
「ryok!?こんな遅くになんだね」
「わざわざ起こしやがってよ…」
「…」
「お母さん、聞きたいことがあるんだけど」
「はぁぁ!?」
「何を言ってるのかしらね、あんたは!」
「そんなもん駄目に決まってるでしょ」
「でも!mtkさん優しいし、正直言ってこの暮らしの方がよっぽどマシだよ…」
「はぁ…」
「じゃあ好きにすれば?」
「私責任取れないからね!?」
カチ…
「良いって」
「分かった、今日からryokは僕のモノ!」
「え?」
「ryok、僕が守ってあげるからね」
「うん」