テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
俺は百獣の王であるライオンのジャルラだ。初代帝王ライオンの子孫・・・と言いたいところだが俺が帝王を今、始めたばかりなのだから歴史なんてありゃしない。
現時点で支配できているのは俺の故郷である小さな森「レフェモル」だけ。故郷は数年前から誰もいなくなって、住んでいるのは俺だけになった。理由はレフェモルの果物が全滅したから。草食動物たちにとって、一番のご馳走であり、一番のレフェモルに住むメリットだった。肉食動物たちがいなくなったのは、草食動物たちがいなくなったからで住むときのルールを決めていたレフェモルのリーダーであるヤギのフォーレスもいなくなって、「肉食動物はここに住む草食動物たちを食べてはならない」というルールがなくなった。草食動物たちを食べようと肉食動物たちが襲ってしのいでいたが、草食動物たちのほとんどが逃げてしまったり、食べてしまっていなくなったため、肉食動物たちもいなくなった。
俺は帝王になることを夢見て、まずはレフェモルより大きな森である「サファラン」を支配しようと思った。サファランに行くとリーダーであるホワイトタイガーがお出迎え・・・と思いきや、なぜか小さな茶色のうさぎが出迎えた。
うさぎはニコニコしながら
「やぁやぁ、旅人さん。サファランへようこそ!ここでは草食動物も安心して暮らせるよ。肉食動物はこの森で過ごしちゃだめというルールがあることは覚えておいてくれ。旅人さん、怖い顔してらっしゃるね。緊張してるのかい?って・・・ラ、ライオン?!」一瞬、住民が先に気づいて迎えてきたのかと思ったが、リーダーの証である赤いスカーフを巻いていたから間違いなかった。俺は丸一日かけてここまで来たのだが、何も食べていなかった。だからこのうさぎを食べたくなった。それにうさぎが香ばしいパンのように見える。俺は食べたくなる欲求を抑えて低い声でうさぎに話しかけた。
「おい、うさぎ。お前の名前はなんだ」
うさぎはビクビクしながら震える声で
「ぼ、僕はこのサファランをおさめるリーダーのスヴェロです。ど、どうか食べないで・・・」
と答えた。俺はスヴェロが怯えているのを見て「これは使えるな」と思った。俺はスヴェロを睨みつけながら
「食べるか食べないかはお前の選択によって決まる。お前だけじゃなく、このサファランの住民たちの命もかかってるんだ。俺の要求を呑むよな?」
と言うとスヴェロは驚いた様子で怯えた。住民たちも絡めたことによって、リーダーとしての責任感を感じているのだろう。スヴェロは涙目になり、震えた声で
「あ、貴方様の要求を呑みます!呑みますから、どうかこのサファランの住民の命と僕の命だけは・・・」
と言った。俺は思わずニヤリとしてしまった。この森の帝王になることは確定したのだから。俺はニヤニヤしながら
「それじゃあ、俺をこの国の王にしろ。リーダーより上の立場だ。逆らったらお前らを食う。いいな?」
と言うとスヴェロは一瞬悩んだ素振りを見せたが、すぐに
「はい、もちろんです」
と答えた。俺は石に乗り、スヴェロを見下ろしながら
「俺の名はジャルラだ。無礼を働けばすぐに食ってやるぞ。いいか、一番の権力者は俺だ」
と言った。スヴェロは声を震わせながら
「はい。存じております。ジャルラ様」
と言った。俺は最高の気分だった。自分の帝王計画も着々と進んだ上に、リーダーでちょっと偉そうにしてたやつを怯えさせ、見下せるのだから興奮するし、楽しい。俺はあくびをしながら低い声で
「スヴェロ、お前はこのことを住民に伝えろ。そして、俺専用の最高の住処を用意しろ。寝床も手を抜くな。飯係も集めろよ。俺は腹が減った。俺にお腹をすかせたままだったら・・・お前らを食ってしまうかも知れないぞ」
と言うとスヴェロは全力で走ってサファランで放送した。数十分後には俺に別の森に住む牛の肉を出してくれた。
嗚呼、なんて気持ちいいんだ。草食動物たちを完全に支配して、美味しい肉も用意してくれる。命令するのは最高だな。俺はレフェモルとサファランを支配した帝王となったのだ。とはいえ、まだまだ大きくて権力のある森や国はたくさんある。でもサファランはそこそこ名の知れる森だから、ちょっとだけでも俺の強さの証明にはなっているだろう。ライオンだから、っていう理由で従えずに今度は俺の実力でやってやる。昔に俺を馬鹿にしたライオンたちを見返してやる。もうあの頃の「泣き虫ライオン」じゃないってことを証明してやるんだ。俺は、支配の手を止めるつもりはない。さぁ、帝王へと一歩一歩と進もうではないか。
コメント
2件
この上から目線がめっちゃいい将来的にこれ大きな問題になるんでしょうか なまえのセンスもいいですねもっと重要キャラを出してもいいのでは? これが実はめっちゃ暗い過去があったりしますか?なんか過去にあってそうです めっちゃ気になります