この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません
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深澤side
なんか凄い違和感。この違和感はなんだろうと思っていたら画面右上に表示されているマークが1個少ないことだった。アンテナしか出てねえじゃん
『ん、?ひかるー』
「なにー」
『パスワード変えた?』
「なんの?」
照の家にお邪魔してスマホを開いたら、アンテナがたってた。要するに、いつも繋がってたはずのネットが繋がらない。困ったなあと彼に声をかけるとなんの?と返ってきた。あぁ何のパスワードって言うの忘れてんじゃん
『Wi-Fi』
「あ、ごめんこないだ変えた」
『あそうなんだ』
「505」
『ちょっと待って』
Wi-Fi接続の画面を開いて505を打ち込む。これはなんだ、半角数字と半角小文字アルファベットで入れたら良いのか?とりあえず聞いて打ち込んでいって違ったらまた聞けばいいか
「アイ」
『あい?』
アイ、愛…iか。大文字だか小文字だかわかんねえからとりあえず小文字で。てか1文字ずつ言わなくてもいいのにな、5、6文字なら覚えて打てるぞ流石に
「スペース」
『空けんの?』
「うん。んで、エル、アイ」
『はいはい』
「ケー、イーね」
打っていくと目の前のバーの上には黒い小さな○が並んでいく。この作業は結構嫌いじゃない。なに打ったか打ったあとすぐ忘れちゃうからちょっとあれだけど
「あとはもうわかるでしょ」
『え?』
途中でパスワード教えてくれなくなるとかそんなことある?もうさっきまで打ったやつ忘れたし。えーっと、前回のパスワードが…なんだったっけな…
「…ここまできてわかんない?」
『…うん』
「ユー」
『ゆー?』
なんで逆にその1文字を当てれると思ったんだよ。打ち込んで接続ってとこをポチっと押すと繋が…らない。え嘘教えられた?
『…繋がんねえ』
「嘘ぉ?」
『マジぃ』
「あれ、あのー目のマーク押してみ」
パスワードを見える化するやつ。押すと出てきた文字列は505 ilikeu。あーらら、これは俺とんでもない間違い方しちゃったかもしんないな。と、思った直後にすぐ後ろから彼の笑い声が上がった
「ちょ、Uじゃなくてyou。ワイ、オー、ユー笑笑」
『いやだって、こうくると思わねえじゃん、わら』
コイツ俺の事大好きじゃねえか。てか I like you なんだとしたらiも小文字のままじゃダメなんじゃね?アイを大きくして、Uをyouに帰るとやっと繋がった。そのままホーム画面に返ると照の寝顔。今のやり取りのせいでその写真が余計可愛く見えてくる
『俺も帰ったらパスワード変えようかな』
「何でだよ、再接続めんどいからやんなくていいでしょ」
『んや2文字くらい改変して当ててもらおうかなって』
「2文字かぁ…」
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後日、俺の家に来たラウールがメモってたパスワードを見て爆笑していた。多分3日前くらいに照の家にも行ってたからバカップルだと思ってんだろうな
【ふ…っ、笑 ふっかさん、笑笑】
『なーんだよもう、笑うな!!わら』
【いやぁ~改変する場所安直だね、数字2コだけ変えるとか。すぐバレるよこんなの】
『バレていーのよこれは』
誕生日近くて良かったなーとこんなところで思うとは。とか考えてたけどラウール的にはそれじゃちょっと安直過ぎるらしい。じゃあ他にどこ改変するのがいいんだよ、俺そんなの考えられるほどの頭無いんだけど…
【もう1か所変えようよ、愛情の部分グレードアップしよ】
『どゆこと?』
書き換えられたパスワードは確かに愛情のグレードアップが完了していた。照には4文字変えたって伝えなきゃな
【like の次元なんてとうに超えてるでしょ?】
『んまそーだね』
【好きじゃ生ぬるいよ、いわふかは】
『ラウールは俺らの何を知ってんだよ、わら』
【えーだってパパとママの子どもだしぃ?二人が愛し合ってることなんてとっくに…】
『ちょ、もう俺らの話はいいわ!んでお前何しに来たの』
【え、惚気に来た】
『めめか…』
俺らはまだピュアだから、loveの粋には達してないかもね~。とかなんとか、2時間くらい惚気を聞かされた。後日、ラウールの家のWi-Fiのパスワードも変わっていたとかいなかったとか
コメント
1件
いやあの最高…いわふかてぇてぇ……めめ、わかるよ〜…