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――20XX年、日本。某県立高校。
「おいコラァ! 吉田ァ!!」
校舎裏に響く怒声。ヤンキーどもがゾロゾロと歩み寄る。その先には、いつものように気だるそうに佇む一人の男――吉田。
傘を肩にかけ、不敵な笑みを浮かべる高校最強のヤンキー。
「なんだァ? 喧嘩売ってんのか、テメェら。」
「うちの総長ブッ倒しただろうが!!」
「あー……そんなんいたっけ?」 吉田は鼻で笑う。
「てめぇッ、なめんなよォ!!」
飛びかかるヤンキーども。だが――
バシッ――!
傘一閃。一本の傘が、まるで槍のように腹へ突き刺さる。
「がっ……!!」 男は吹っ飛び、植え込みへ突っ込む。
「……次は?」 吉田は傘をクルクルと回し、にやりと笑った。
――その時。
「やれやれ……相変わらず派手にやってるな、吉田。」
ひょうひょうとした声が響いた。
現れたのは、一人の男子生徒。
白髪に近い淡い色の髪。身長は吉田よりも少し低いが、鋭い目つきとクールな雰囲気がただ者ではないことを感じさせる。
そいつの名は――
花咲大樹。
「おう、大樹じゃねぇか。」 吉田は目を細める。
「久しぶりだな、吉田。相変わらず、喧嘩ばっかしてんな。」
「お前もな。」
大樹は肩をすくめ、吉田の隣に立つ。
「……さてと、どっちが片付ける?」
「おいおい、手出すんじゃねぇよ。こいつらは俺が――」
「いや、もう遅い。」
次の瞬間、大樹の手に握られたのは――折りたたみナイフ。
シュバッ――!
刃が閃き、次々とヤンキーたちの足元をかすめる。ギリギリの恐怖。全員が硬直した。
「……次動いたら、耳を削る。」
静かな声。しかし、その言葉の冷たさは氷のようだった。
「あ……あ……」
「おい、大樹。やりすぎんなよ。」
吉田が笑いながら肩をすくめたその時。
「て、てめぇらァ!!!」
怒声とともに現れたのは、体育教師・南田。
「また喧嘩か貴様らァ!! 職員室来い!!」
吉田と大樹は顔を見合わせ――同時に溜息をついた。
「……面倒くせぇな。」
「まったくだ。」
――こうして、後に裏社会で「殺し屋の父」となる男、花咲大樹は、吉田と共に伝説を作っていくのだった。