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Mrs.短編集

16 - 身を守る術

♥

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2025年07月26日

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side.若


今日は大事な大事な日。この日のために元貴と何日もプランを練った。

そう、今日我らの姫を守るための講習会である。

あのくそジジイの件で、涼ちゃんには危機感をもっと持ってもらいたい。

自分で自分を守れるように。


大森「その手の向き違うよ」

若井「こうやって、こう突き出す!」

藤澤「難しいよお~…」

大森「はい、集中して!…だから~こっちだってば!」

藤澤「ううう…これ必要あるの…」

若井「当たり前でしょ。はい、やって」


時間ももうないので、これで講習会は終わり。3人ともヘトヘトだ。

涼ちゃんはなぜか才能があって、案外すぐにできた。


若井「涼ちゃん、この手の動きさえできれば完璧だね」

大森「すごいよね…ちゃんとできてたじゃん」

藤澤「んん…これ、役に立つのかなあ…?」

若井「自分を守るためだよ。ずっと一緒にいれるわけじゃないんだから」

大森「まったく、もっと危機感持ちなよ」

藤澤「だって僕おじさんだよ」

大森「だから、涼ちゃんはお姫様だから!…多少バカな」

藤澤「ひど⁈」

若井「まあ、これでなんとかなりそうだね」


今日はどうしても電車で行かなきゃいけない用事。もちろん3人でいるけど、満員電車では思うようにいかない。

あ、と思った時には涼ちゃんが少し前に流れていってしまった。

なんとか見えはするけど、不安でしょうがない。

元貴は俺にしがみついていたから大丈夫。

やべ、こいつもかわいいんだった。


大森「若井…怖い」

若井「大丈夫。元貴は俺が守るし、涼ちゃんは、いける」

大森「そうだけど…涼ちゃん優しいから、怯んじゃいそう…」

若井「大丈夫だから。謎にめっちゃ上手かったじゃん。実戦練習だと思おう」


ほんとは俺だって怖いし、今すぐに涼ちゃんのところに行きたいけど、そういうわけにもいかない。

スマホを開いて、三人のグループにメッセージを送る。

『講習会の実戦練習。なんかされたらそう思ってぶちのめせ。』

すぐに既読がついて、涼ちゃんからのアイコンタクトと返信。

『了解。実行する。』


若井「元貴、涼ちゃんやるって」

大森「見たい。抱っこして」

若井「はいはい」

大森「あのジジイ距離近い」


ジジイの腕が伸びるのを見た。

と、その腕を涼ちゃんが掴んだ。

ほんとは触らないでほしいけど、しょうがない。

ジジイがもう片方の手で涼ちゃんを掴もうとする。

その瞬間、涼ちゃんが肘をぐっと引いた。

ごすっという音が聞こえて、おじさんがドアに倒れこんだ。


涼ちゃんが満面の笑みでこっちを見た。

やばい、吹き出しそう。

バイブ音が鳴って、涼ちゃんからのメッセージ。

『任務、完了しました。はやく褒めて』


元貴と目を合わせて、堪えきれずに吹き出した。

ジジイは連行され、涼ちゃんは俺らにいっぱいよしよしされることとなった。


姫は、自分の身を守る術を身に着けたのだった。



「危機感がない人」のおまけ。

姫がめちゃめちゃ強かったらギャップ萌えだな。

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