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夜の12時、時間帯のせいなのか異常に食欲が湧き上がってきてコンビニまで来ていた。

カップ麺やらお菓子やらを大量に買って弾んだ気分で外に出たらいつのまにか雨が降り始めていた。そのまま走って帰るのは難しそうで結局ビニール傘を買った。財布が空っぽになったけど明日は給料日だしいっか。


傘の上にぱらぱらと雨粒が落ちる音を聞きながら、薄暗い静かな住宅街を歩いた。雨が激しく地面を叩き水飛沫をあげる。





___異様な光景に視線が惹き付けられた。





男の人が傘も差さずに項垂れながら重い足取りで歩いていた。

服は濡れて色が変わってしまっている髪からぽたぽた雨水が流れ落ちていった。


私は男の人を追いかけた。

後ろから傘を差し出して彼を入れる。

男の人が足を止めてゆっくり私に振り向いた。


「大丈夫ですか?」


男の人は何も言わない、彼の顔から表情は読み取れなかった。


「傘あげますよ。私の家すぐ近くなんで」


「待って」


傘の柄を握る私の手に、彼の冷たい手が重なった。私はそこに立ち止まるしかない。


「帰る所が無くて」


帰る所が無いって…大学生っぽいし家出、という年齢でもなさそうだけど。















「だから泊めてほしい」

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