コメント
1件
はい…はい…兄弟幸あれ…
両親が学校に駆けつけ、教師や警察と対応にあたる間、兄弟たちは安全な帰宅を優先した。
らんはこさめを優しく抱き寄せ、こさめの体が小さく震えているのを感じながら、無理に離そうとせずそのまま自室へ連れて行く。こさめはらんにしがみつき、涙で濡れた服をらんの胸に押し当てながらも、安心したように小さく息を吐いた。
すちはみことを抱き上げ、自分の腕にしっかりと抱え込む。みことの体はまだ緊張で固く、打撲や擦り傷が痛々しいが、すちはゆっくりと背中や頭を撫でる。
みことはすちに身を委ね、少しずつ呼吸を整えていった。
ひまなつはいるまをおんぶし、体の震えを感じつつも「一緒に居ていい?」と囁く。いるまは小さく頷き、ひまなつの背中に顔を埋める。ひまなつはそのまま自室へ向かい、いるまをそっとベッドに下ろした。
それぞれの部屋では、兄弟たちが互いの存在を感じながら、心と体の傷を少しずつ癒していった。
「すち兄…」
みことはベッドに横たわり、まだ体の痛みが残るのか、か細い声で名前を呼ぶ。腕や足、背中の打撲や擦り傷が痛みを伴い、わずかに震えていた。
すちはそっとみことの頭を抱え込み、優しく額に口付けを落とす。みことは目を細め、ほんの少しだけ肩をすくめるが、嫌がることはなく、すちの温かさに安心した表情を浮かべる。
次に頬に指先で触れながら口付けをし、首筋にも優しく口を滑らせる。痛みを和らげるように、すちは力を入れすぎず、みことの体にそっと寄り添いながら触れる。みことは痛みの中でも少しずつ呼吸が整い、すちに身を預けた。
「よく頑張ったね」
すちは囁き、みことの手をそっと握る。
みことは小さく頷き、まぶたが重くなっていく。すちはそのままみことの頭を胸元に寄せ、二人は互いの体温を感じながら静かに眠りについた。
ベッドの上は外の騒音も届かず、傷ついた体と心を互いに包み込むような、穏やかで安らかな時間が流れていた。
らんの部屋は柔らかい光に包まれ、静けさの中で2人だけの時間が流れていた。
ベッドに並んで横たわると、こさめはらんにぴったりとくっつき、離れる気配はない。らんはそっとこさめの肩に手を添え、優しい声で「こさめ」と名前を呼ぶ。
こさめはゆっくり顔を上げ、らんを見つめる。その瞳は涙で潤み、光を反射して揺れていた。らんは微笑みながら、こさめの額にそっと口付けを落とす。温かい唇の感触に、こさめは小さく震え、ぽろぽろと涙を零す。
涙が頬を伝う中、こさめはためらわずに自分の唇をらんの唇に押し当てる。甘く柔らかい触れ合いに、らんもこさめを包み込むように唇を重ね返す。互いの温もりが伝わり、体も心も安心で満たされていく。
部屋の中には二人の呼吸と、そっと重なる唇の音だけが静かに響き、こさめはらんに抱かれながら涙と共に少しずつ心を落ち着けていった。
こさめは唇を重ねたまましばらく抱きしめられていると、次第に瞼が重くなり、呼吸も穏やかになっていった。
らんは優しくこさめを抱き寄せたまま、額や頬にそっと口付けを繰り返し、安心させるように温もりを伝える。こさめの体の力が抜け、全身がらんに委ねられると、二人は静かな寝息とともに眠りについた。
いるまはベッドに横たわったまま、まだ体に残る男たちの感触に微かに震えていた。顔を伏せて恥ずかしそうに俯き、声を小さく呟く。
「なつ兄…触ってほしい…」
その声には、恐怖と甘えが入り混じっていた。
ひまなつはそっといるまの顔を覗き込み、深い傷や恐怖を抱えていることを理解しながらも、優しく問いかける。
「怖い思いしたのに、大丈夫なん?」
いるまはわずかに肩をすくめ、声を震わせながら小さく呟いた。
「お前じゃないと…嫌だ…」
ひまなつはその言葉を聞き、無言でいるまの額に唇を触れさせる。次第に顔を近づけ、優しく頬に口付けをしてから、唇を重ねた。甘く濡れた感触に、いるまは目を細め、体の緊張を少しずつ解いていく。
ひまなつは恐怖で硬直しているいるまの体をそっと抱き寄せ、温もりを伝えながら唇を絡め続けた。
いるまは柔らかさと温もりに身を委ね、かすかに震える呼吸を整えるように吐息を漏らす。ひまなつは耳元や首筋にも優しく口付けをし、恐怖と緊張を溶かすように丁寧に体を撫でる。二人の間に、静かで柔らかな空気が満ちていった。