如月さんが戻ってこないことをいいことに、ベッドに飛び込む私。こんなにフカフカで温かいベッドなんて初めて。私が使っていたのは、ベッドっていうよりただの布だったし、穴だらけだったからな。
「そんなにベッドが気に入ったか?」
「き、如月さん…!いつからそこに?」
「お前が部屋の端から助走つけてベッドに飛び込んでた時から。」
いや、それ最初からじゃん。飛び込んで喜んでた恥ずかしいところから見られていたなんて……。
「そんなに気に入ったなら買ってやろうか?お前のベッド。」
「い、いらないよ!お金を無駄遣いしちゃダメ。お金って大事なものなんだよ。お金が無きゃ生きていけないの。お金があることを当たり前に思わないで。」
「あっそ。それなら僕と一緒のベッドだな。それと、お前はもう少し教養と言葉遣いを身につけろ。僕の方が3つは年上なんだから少しは敬語を使え。」
「教養って、生きていくのに必要なの…?私はそんなもの無かったけど、今まで生きてこられたよ。」
「お前は僕の玩具なんだ。玩具と言えど如月家の1人になるんだ。お前が何かしたら家自体の問題になる。」
「分かった……それくらいの我が儘なら聞いてあげる。」
「我が儘なんかじゃない、こんなの……。」
「あれ、3つ違うってことは如月さんは17歳?私、3つ差に縁があるのかなー。お父さんとお母さんは3つ差で、本当はね私の3つ下に弟が生まれるはずだったんだ。でも、お母さんのお腹に赤ちゃんがいるって分かった後、お母さんが死んじゃったから私は会えなかった。」
「それって、お前が僕と付き合いたいってことか?それとも兄妹になってほしいのか?」
「違うよ!別にそんなのじゃない。」
「だったらもう寝ろ。明日からみっちりしごいてやるからな。玩具として僕に尽くせよ。」
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