nksr せんせーがハグするために奮闘するお話 甘め
月が高く登ったころ、部屋に響くうなされた声に起こされる
「ん…ニキ、?」
窓から入り込む月の光がニキを照らす
隣で寝ている彼がうなされて額に汗が滲んでいる。
夢見でも悪いのだろうか
「うぅ、はっはぁ、っ、、」
「ニキ、おきて、」
ニキを起こすために軽く体を揺する
「っ、ぼびー、」
思いの外すぐに目を覚ましたニキは、顔色を悪くしながらこちらを見る、
「ニキ大丈夫か?悪い夢でも見とったん?すごい顔しとったで」
「あー、まじで最悪な夢だったわ、、ちょっとぼびー補給させてーー」
そういってニキは俺に抱きついてくる、
俺より少し大きい体格をしているからか、俺が抱かれている形になっている
「っ、」
いきなり抱きつかれて少しびっくりした
ゆっくりと俺も腕をニキの背中に回す
相当嫌な夢だったのだろうか、明るく振る舞っているが顔を肩にのせてぐりぐりと押し付けながら、深いため息をついている
かわいいなあ、なんて思ったのはニキには秘密
しばらくの間、俺はニキの胸の中。
何気にこんなにしっかりハグをしたのははじめてかもしれない、と思考し始める
とく、とく、と聞こえるニキの心音や温もりが心地良い、
「よしっ、ありがと!落ち着いたわ〜」
「っお、おう、寝れそう?」
ニキがばっ、と俺から離れる
さっきまでニキを感じていた所が空気に触れて冷たく感じる 、
少し、いや、だいぶ名残惜しい
「寝れる寝れる!起こしちゃってごめんね、ねよ!」
「せやね」
ニキはそそくさと寝る体勢を整える、
俺も寝転がると、ニキが布団をかけてくれた
「ぼびーおやすみー」
「おやすみ」
軽く言葉を交わして、眠りにつく
すぐにニキの寝息が聞こえてきた、
この頃、お互い撮影や編集やらなんやらで、久しぶりの睡眠故に俺もすぐに眠気が襲ってきた
頭の中では先のニキの心音と暖かさを密かに思いながら、 眠りについた
・・・
あれからなんだか、ハグ欲が強い、
抱きつきたい、
素直に言うか、、?いや無理だ、恥ずかしくてたまったもんじゃない、
元々スキンシップと言っても横に座る時に少し密着するとか、それこそ行為中くらい、
「今更ハグしてなんて言えるわけねぇ〜…」
長時間編集して集中力が切れてきた頭で どうしたら自然とニキとハグができるか、考えて始めていた
よし、作戦を考えよう。
素直にハグしたい、と伝えるか?
否、恥ずかしいから却下。
転んだフリをして抱きつくか?
いや、俺はニキを感じるハグがしたいから却下。
だいぶ俺の頭を悩ませる、というかこう考えてる事自体が恥ずかしいな、と気づく
「…寝込みを襲うか、、?」
ひとつの案が思い浮かんだ、
本人に伝えられないのなら意識がない睡眠中にハグをすればいいじゃないか!
これならニキを感じることも出来るしいいんじゃあないか?
作戦決行はさっそく今夜に決めて、俺はこの作戦に、待望のハグに心躍らせる。
・・・
刻は深夜。
編集をしていると、いつの間にか辺りが暗くなっている、
時刻が知りたくて横に置いてあるスマホに手を伸ばした、表示された数字は 3:24 かなりいい時間だ、
寝ようかな、と思った瞬間、はっと昼間に考えていた作戦を思い出した
たしか居たよな、とディスコのメンバーを確認すると、ニキの文字が無い。
「なぁ、ニキいつ居なくなった?」
あれ?と疑問に思い他にいる奴に聞く
「ん?ニキニキさっき居なくなったよー
その時せんせーの声聞こなかった気がする」
「あぁ」
最近で席を外したのはトイレの時くらいだからそのときかな、と記憶を辿る
「俺もそろそろ寝るわ、おやすみー」
トイレの時なら30分ほど前だろう、今からならちょうどニキが眠っているときにタイミングが合うのではと考える
「おやすみー」
「おやすみ」
みんなと挨拶を交わしてディスコから抜けた
「…やるか」
俺も寝る準備をして寝室に向かう、準備は万端だ
ガチャッ、と音を鳴らしてドアを開ける
規則正しい寝息が聞こえる、寝ていることが確認できてひとまずほっとする
取り敢えずベッドに乗る、が、
…ここからどうすればいいんだ
ニキはこちらを向いて寝ている、少し腕に触れる事になるがそこに入ればハグ出来るか?
いやまて、起きたらどうしよう。
というかこそこそやってるのがバレたら、そっちの方が恥ずかしいじゃないか、どうしよう、
いろいろと考えているため、ずっとベッドのうえに座ってニキをじっと見つめているだけになってしまう、
ニキの顔を見ていると、うなされていたの夜を思い出す
あの時は眉を酷くしかめていたが今はすやすやを気持ち良さそうに寝ている
ニキを見ているとハグをしたい!という欲がどんどん出てくる。
こうなってしまったなら、もう作戦決行するしかない、
極力起こさないようにニキの腕をそっと持ち上げたそこに入ろうとした時
「んん、、?」
ニキが声を発した
心臓がひゅっ、となる感覚が襲う
ニキの腕を持った手は硬直してそのままになっている
「っ………」
「ぼび、、どした、、」
眠そうな声でこちらの様子を問うてくる
「…いや、、、なんでも、ないで、、」
「…そう」
焦りで歯切れの悪い回答しか出来ない
ニキは特に深く言及して来ずに腕だけ自分のところに戻して再び眠りについた
「っ、はぁ〜、、」
ニキの寝息が聞こえてきて安心して大きく息を吐く
完璧なる作戦失敗になってしまった、
またやるのは流石に心臓が潰れちまいそうだなと、
今夜は 大人しく横になり布団を被り眠りにつく事にする、
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