短編

11月15日。秋も後半を迎え、寒さが増す頃。

まだ眠くないけれど寒いのでベッドに転がり、毛布に包まる。毛布はmfくんが例のチャンネル企画後に買ってくれた肌なじみのある薄紫色のもので、もこもこしていて肌触りがお気に入りだ。

この前mfくんと一緒に寝たときの匂いが残っていて、微かに残るmfくんの匂いをかいで、嬉しくなって。布団の中で足をバタバタさせて。まるでクリスマスプレゼントが楽しみで眠れない子供のよう。

こんこん…

ドアがノックされる音。はっと我に返って起き上がる。誰…と聞く必要もなく、こういうことをするのはmfくんしかいないわけで。彼の存在が近くにあることに頬が緩む。

「あ、mfくんー?いいよ」

「お邪魔しまーす」

「えへへ、いらっしゃい」

「ん、」

mfくんがベッドに腰掛ける。俺の部屋は暖房の調子が悪いので、mfくんも毛布に入れて温かさをお裾分けだ。

「どう、あったかい〜?」

半ばmfくんにもたれかかるようにして、二人で座りながら毛布で温め合う。

「うん、あったかいー…dn寒くないの?」

「え?毛布あるし、ttが明日修理してくれるって言ってたから」

「そう、よかった。今日寒かったら俺の部屋来る?って言おうと思ってたから」

「え?

い、行く!」

「お、行くー?」

「うんっ」

「いいよ。じゃ、その前にー、dnに質問があります」

「なーに?」

俺のことなんてなんでも知っているmfくんが質問だなんて珍しい。何かあったのかな?

「えっとねー…

…待てよ。俺がどんな質問しても引かない?」

「え?引かないけど…」

なんだよそれ。そんなやらしいことを…っ?

「じゃあ、聞きます」

「はい」

急に敬語になって、どきどきした俺はmfくんともっと体を密着させて、ぎゅーっとしながら待つ。

「さっきの配信何だけど…

dnさあ、なんで吸血鬼〜?」

にたっと確かめるような顔だ。俺の腰に手を回して、片手で耳を撫でてくれる。その顔が凄く上機嫌だ。

「えー…?聞きたい〜?」

「聞きたいけどー…予想いい?」

「いいよ?」

mfくんは勿体ぶるように俺の耳を弄ったりして間を開け、しっかり一呼吸ついて言った。

「………、この前のセブンコラボ。俺吸血鬼だったじゃん。それ?」

「え”…」

それだ。

ついこの前始まった…といっても少し前か。

セブンイレブンで始まった俺達crptとのハロウィンコラボ。企画担当さん達に任せっきりのキャラクター服装デザインだったけれどmfくんは吸血鬼、俺は死神。どっちも死に関係する仮装ではあったけれど、あんまり二人で写れていないんだよなあ……もちろん楽しかったんだけどねっ!?

…で。mfくんの格好いい吸血鬼姿が頭から離れなかった俺は、今日の動画でたまたま見つけたスキンパックで吸血鬼になりきってマイクラをすることに。バレないようにこそっとmfくんがお風呂の時間に上げたのに。気づくの早いなあ…

「当たり〜?」

「う”…そうです。大正解」

「よっしゃ。

いやー、dnちゃんのX開いたらさー動画出てて。まだ見てないんだけど、後で見るつもり。

サムネ見て、これ俺じゃんかわいーってなって。」

「ううっ…恥ずかしいって‥/」

「えー?俺嬉しいよ〜」

更に上機嫌になったmfくんは尻尾まで触り始めた。

「ひゃっ…/ん…恥ずかしいっ‥」

「えー?いいでしょ」

付け根から尻尾を持ってくりくり、と弄る。…明らかにえっちをするときみたいなムードになってきた。

「ん…っ//やめっ…」

隣りにいるttにバレないように声を抑えて抵抗する。

「ねえ、今どう?あったかいんじゃない」

「そう、かも…ひゃっ/ぅあっ‥//」

「もっと、俺が温めてもいい?」

「っ…いいよ?/」

「よし。ちょっと待てよー?」

俺を押し倒して、毛布を床に落とす。寒かった体は逆に熱を持っていて、耳も興奮していつも以上にぴん、と伸びてる。

悪戯な顔になった彼は持ってきていたバッグから、この前の吸血鬼ローブを取り出して、装着する。

「え…それ…」

「dnちゃんが満足してなさそうな顔で撮影に臨んでたからさー…スタッフさんに頼んで貰ってきたの」

「え…/」

「だから、今日は吸血鬼mfとしてdnちゃんを温めてあげる…ね?」

「っ…/ぅうっ‥」

「ほら、顔見せて?」

本物のドラキュラのように目をギラつかせて俺を見下ろす。ローブで俺を包んで、首筋に噛みついた。

長い夜の始まりだ。

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妄想つき次第次の話更新します。

これはスマホなんですけど、後宮編はググりながら（古代中国のことについて）するので、タブレット…金曜日までには更新します!

完結までにデジタルの色塗りも終わらせたい…!