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それは夏の始まりの頃だった。
「ねぇ、夏休みどこ行くの?」
「私はね沖縄に旅行しに行くんだ!」
「え!いいな〜」
「お父さんが沖縄旅行チケットを当てて__」
夏休みの事を話しているクラスの皆にも目もくれず君は只管音楽と見つめあっていた。
君は音楽は僕の命より大事だと言っていた。
いつも音楽の授業となれば皆より早く教室に行って音楽の知識は皆より上で何時も音楽の成績はトップだった。
けど他の教科は成績はよくなくいつも赤点ギリギリだった。
そんな彼にある日帰り道にひとつ質問を出してみた。『なぜ音楽に全てをかけるの?他の教科が高くなくちゃ高校なんて行けないよ。』
その時の彼の顔は少し驚いていたが瞬きする間に普通の顔に戻っており『ただ単に音楽が僕を救ってくれたんだ_』と彼はそう言ってその話は終わった。
そして、夏休み当日君は僕にこう告げた
「僕音楽はもう飽きた。もう音楽について何も興味無い、何も要らない。だから僕今まで上げてこなかった他の教科を沢山上げていい高校に入学する」
とゆらゆらと木々が揺れている校庭のブランコで君はそう告げた。
そして_
あの日君は音楽をやめた。