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――なんでこんなにも、息が苦しいんだ?
空気が重くて、肺が締め付けられるみたいに痛い。
「誰も俺のことなんて見てない」ってわかってるのに、
どうしてか、孤独がこんなにざわついて止まらない。
部屋の隅っこに座り込んで、膝を抱えたまま目を閉じる。
外の声が遠すぎて、耳に入ってこない。
誰かが笑う声、誰かが怒鳴る声、全部が遠い世界のことみたい。
「俺はここにいるのに、誰も気づいてくれない」
心の中で繰り返すその言葉が、棘のように刺さる。
スマホを開いては閉じ、意味もなく画面を叩いてみる。
返事がないメッセージたち。
「もういいよ、どうせ誰も答えてくれない」って自分に言い聞かせるけど、
ほんとうは誰かに触れてほしい、わかってほしい。
でも、それはいつも裏切られるんだ。
頭の中の声がざわざわして、叫びだしそうになる。
「何で俺だけこんなに弱いんだ?バカみたいだ」
涙があふれて止まらない。
テレビをつける。
画面の中で彼らは強くて、かっこよくて、輝いている。
俺にはその世界に入る資格なんてない。
テレビのキャラが笑う。
「あいつらは強い」って、心の中で呟く。
羨ましさと嫉妬が混ざって、何もかもが嫌になった。
時間が過ぎるごとに、胸のざわつきは消えなくて、
むしろ増していく。
その違和感は無視できなくなっていた。
あるとき、ふと気づいたんだ。
テレビの中のキャラたちが、こちらを見ている気がした。
「そんなわけない」って自分に言い聞かせるけど、目が離せない。
何度も画面を見返す。
その視線は、確かに自分を捉えていた。
心臓がバクバクして、手が震えだす。
「俺のこと、知ってるのか?」
その思いは恐怖になって、部屋の空気が重くなった。
振り返っても、誰もいない。
でも、視線だけはずっと俺を追い続けていた。
スマホに突然メッセージが届いた。
「見てるよ」
知らない番号。
「誰だよ…」声が震えた。
その言葉が頭から離れない。
テレビの中のキャラたちは、どんどんこっちを見ているように感じて、
逃げられない気がしてきた。
瞬間、アニメが光った。
「嘘、なにこれぇえええ!?!?!?」
涙がどっと溢れて、止まらない。
叫びたくても声にならず、部屋に響くのは自分の嗚咽だけ。
この世界も、俺も、全部狂ってる。
でも…まだわからない。
あいつら、誰なんだ?
俺のことを、なぜ見ている?
視界が暗転した