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ー正樹院ー
シエル[すみませんー!]
院生[どうされましたか?]
シエル[薬草を受け取りに来ました。あ、あとここで働かせて貰うことって可能でしょうか?]
院生[薬草はこちらです。仕事の件は少々お待ちください。院長に聞いてきます。]
シエル[わかりました。]
ぼくは薬草を受け取り、院長を待った。
正直、ぼくがここで働けないと思っている。
だって、まだお師匠様に認められていない、見習いだから。けど、ダメ元で聞いてみたんだ。
院長[君が、働きたいと言っている子かい?]
シエル[あ、はい!そうです。]
院長[名前と出身、種族を答えてくれ。あと、なぜ働きたいかもね]
シエル[はい!ぼくはシエル・エーデルといいます。出身は月光草ノ村です。種族は見てもわかる通り、エルフです。ここでなら、人の役に立てると思いました]
院長[…まぁ、いいだろう。採用だ。最近人手も少なくなってきたしねぇ…]
シエル[…!ありがとうございます!]
まさか採用されるなんて!嬉しい…
院長[こいつから色々教えて貰いな]
先輩[ええ!?僕っすか?]
院長[頼んだよ]
先輩[はぁ…わかりました]
院長は去って行った。彼は先輩らしい。
先輩[…とりあえず!ここを案内するよ]
そう言って先輩は正樹院を案内してくれた。
医務室…薬草室…受付…
先輩[これであらかた教えたぞ]
シエル[ありがとうございます!]
先輩[お、おお]
ぼくが先輩に笑顔で言うと先輩はどこか恥ずかしそうに顔を背けた
先輩[…仕事だ。治癒魔法は使えるな。シエル、行くぞ。今は見るだけでもいいから]
シエル[わかりました!]
ー医務室ー
患者[ちと、冒険で腕を怪我してしまって…]
先輩[そうですか…今、治しますね]
患者[あれ、あの子新しい子ですか?]
先輩[そうです。今日入ったばかりですよ。]
先輩[少し深いですね。薬草をお持ちします]
そう言って先輩は薬草を取りに行った。待っていたら、患者さんがぼくに話しかけたきた。
患者[君、名前はなんて言うの?]
シエル[えっと、シエル・エーデルです]
患者[シエルちゃんね…シエルちゃん、俺といいことしない? ]
シエル[いいこととはなんでしょう?]
患者[アレだよアレ]
シエル[?]
患者さんが言っている意味が分からない…
そこで先輩が薬草を持って帰ってきた
先輩[患者さん、何をされているんですか?もし不埒な行為を迫っているようでしたら、症状を悪化させることも可能ですが?]
患者[…すみません]
先輩は笑っていたけど…なんか怖かった。
先輩[今度からお気をつけください。こちら、薬草です。お大事になさってください。]
患者[あ、ああわかった]
患者さんが去って行った。
先輩[はぁ…こういう奴は拒否しろよな]
シエル[わかりました! ]
先輩[わかっていない気がするんだがな…]
先輩[今日の業務は終わりだ。帰っていいぜ]
シエル[分かりました。先輩、ありがとうございました!]
先輩[気をつけて帰ろよー!]
こうしてぼくは正樹院を後にした。
シエル[そういえば…]
ぼくは鞄から1枚の名刺を取り出した。
今日貰った、グレイブさんの名刺だ。
シエル[えっと…ここですね]
ぼくは薄暗い路地裏の1件の建物に入っていった
グレイブ[いらっしゃい]
シエル[来ちゃいました!]
グレイブ[来てくれて嬉しいよ…シエル君]
店員[グレイブさんが対応してる…((コソッ))]
店員[VIPの方かな…((コソッ))]
店員[どうだろう…?((コソッ))]
店員さんが何か話しているけど、ぼくには聞こえなかった。
グレイブ[何か飲むかい?]
シエル[水でもいいですか?]
グレイブ[いいよ]
グレイブ[はい、どうぞ]
水(?)がシエルの前に置かれる
シエル[ありがとうございます!]
(/◎\)ゴクゴク
シエル[果実水ですか?美味しいです]
グレイブ[…そうだよ]
ー数分後ー
シエル[(*_ _)zz]
グレイブ[ようやく…寝てくれた]
アレって実は水じゃないんだよね
お酒♡それも度数が強いやつ
嗚呼、それにしても可愛いなぁ
眺めていると…
店員[…オーナー?邪魔して申し訳ないんですが…もう帰ってもよろしいですか?]
グレイブ[…嗚呼、構わないよ]
店員[では、失礼致します]
店員が店を出ていった。
今、店には二人しかいない…
グレイブ[ははっ…]
この子はやっぱり可愛い…怪我を治してもらった時に一目惚れしたんだよねー
警戒もせずにここに来て…今、俺に無防備な姿を見せている…
家に連れて帰ってしまおう。ちょうど娘は家に居ないからね
グレイブ[楽しみだ]