テラーノベル
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藤塚 太陽
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希望、
それはいつも、予想通りにはならないのだ。
私は死にたい。
私はずっと行きたかった藝大に落ち、適当に選んだ大学に入学した。
その時、あれだけ自信を持って入学すると言ったのに、
親は私に持っていた期待を全て私の弟に向けた。
弟はずっとあまり成績が良くなく、ずっと暗そうだった。
だけど私が藝大に落ちた途端、私立高校に入学し、笑顔が増えた。
私はもう何も残らないんだと思った。
「死にたい」
そう、それが私の希望。
死こそ私が今1番求めているもの。
そんな死は私の手には入らない。
私は死ねない。
それからしばらくして彼氏ができた。
入社した会社の同期で、
私のことを好きになってくれた。
そんなに彼のこと気になってなかったけど、
告られた瞬間私はほのかに幸せになった。
私は愛されている。求められている。
とっても嬉しかった。
「仕事疲れたね」
「うん」
そうやって一緒に帰った。
「そういえばなんか最近同じナンバーの車多い気がする」
「そう?(笑)ドッペルゲンガーかな?」
そんな面白いことを言ってくれる人。
「最近視線を感じるんだよね」
「俺じゃない?」
「もうストーカー!」
なんて、笑い話が好き。
私はこれが希望だと思った。
生きたいと思った。
ある日。
ピンポーン
きっと彼が来た。
「はーい」
もう、今日は忙しいって言ってたのに。
なんだかんだ私に会いたい…
ドアを開けた瞬間、
それは突然に来た。
光が反射する尖った物を持った中年男性。
彼はそのまま、私の腹部にそれを突き刺した。
私は、希望が来たのだと思った。
コメント
3件
うわあ……読んでいて胸がぎゅっとなりました。「死にたい」から「生きたい」へ動きかけた矢先、あのラスト。希望が最も残酷な形で訪れる瞬間に息を呑みました。タイトル「希望」の持つ二面性が、たった1話でこれだけ効いてくる構成にグッと来ます。物語はここからどう転がるのか、すごく気になります。