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突然、ドズさんからメッセージが来た。
昨日はいなかったから、今日の撮影についてなにか言うことでもあったのだろうか。今日の撮影も楽しみで、鼻歌を歌いながらメッセージを開いた。
よく見るとそのメッセージは、全体ではなく、俺だけに送られていた。
ぼんさんへ
急なメッセージですいません。
僕はあなたを裏切ります。夢も全て諦めます。
僕は会社を辞めます。社長という立場であることは承知の上です。他の会社から大きな勧誘を受け、そちらへ行くことになりました。
あなたという素晴らしい人を見捨ててしまい、申し訳ありません。これまでの活動はとても有意義なものであると思います。
ぼんさんは僕にとって必要不可欠な存在で、とても大切な人です。だからこそ、辞めます。
ぼんさんにこの会社を任せると、会社が潰れてしまうかもしれないので、社長はネコおじに託します。
これからも、ぼんさんを応援しています。
裏切り者の僕には、もう連絡してこないでください。
今までありがとうございました。
「なんだ、これ…?」
何かドッキリか。冗談が過ぎるだろう、これは…。
ドズさんに「なんすか、これ。」とメッセージを送ろうとした時、システムメッセージが俺にこう告げた。
『このアカウントは存在しません。』
ちょっとまて…なんの冗談なんだよ。
焦りを抑えながらMENにメッセージを送る。
どうやら、MENも同じようなメッセージが送られていたそう。
おんりーも、おらふくんも、ねこおじも。
色んな方法でドズさんにメッセージを送るも、どのメッセージも彼に届くことはなかった。
家に行ってみても、家には誰もいなかった。
まるで、完全に…
「ここまでは、ちょっとやりすぎじゃないの…?」
モジモジしながら、僕に問いかけた。
「いいんだよ、もう。」
僕は彼女の頭に手を乗せた。
「きっと、僕が居なくてもうまくやって行けるさ。」
僕は、みんなを信じてる。
僕がいなくとも、きっとみんなは人気を保っていられる。沢山ファンを増やして、見違えるくらいにたくましくなっていけるはず。
でも、僕が居なくなった日から。
彼らのSNS更新は途絶え、動画投稿もされなくなった。
「ドズルさんが俺らを拒絶するなら、俺らも同じようにする。」
おんりーは瞳の光を無くし、虚ろな瞳で俺らにそう言った。
おらふくんは頷き、俺も賛成。
「ドズさんが戻って来るまで、俺らは何もしてやんねぇ…。」
MENはそう言って、今日の動画投稿の予約をキャンセルし、これから投稿されるものも全て予約をキャンセルした。
そして、編集し終え、あとは投稿するだけの動画を全て削除した。
もう、後戻りはできない。俺らはドズさんをココに連れ戻すまで、一切SNSの更新はしない。
今まで5人で積み上げてきたものを失って、炎上しても構わない。
俺らは、5人揃っていれば何でもいい。
コメント
2件
久しぶりの投稿じゃんって嬉々として言ったらびっくりです!これからどうなってしまうのですか!?
うわーん😭💦続きが楽しみです!